硬膜外穿刺後に生じた硬膜外膿瘍12例の検討

硬膜外穿刺に伴う合併症のうち,感染症は診断・治療が遅れると重篤な神経障害を生じることがある.われわれは1993年から2013年に硬膜外穿刺後に生じた硬膜外膿瘍12例の発症時期,治療,予後を後ろ向きに検討した.症状発現が穿刺から3週以上経過していた症例が3例あり,それらの症例では病期が進行していた.治療は全例に抗菌薬投与が行われた.4例に外科的治療を施行し,うち2例は麻痺が残存した.穿刺から長期間経過後に症状が顕在化する場合,症状発現時には病期が進行している可能性があるため,硬膜外穿刺後に発熱や背部痛を認める場合には,穿刺の時期にかかわらず硬膜外膿瘍を念頭に置いて診断,治療にあたる必要がある....

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2017/05/15, Vol.37(3), pp.289-294
Hauptverfasser: 興梠, 雅代, 谷川, 義則, 上村, 裕平, 平川, 奈緒美, 坂口, 嘉郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:硬膜外穿刺に伴う合併症のうち,感染症は診断・治療が遅れると重篤な神経障害を生じることがある.われわれは1993年から2013年に硬膜外穿刺後に生じた硬膜外膿瘍12例の発症時期,治療,予後を後ろ向きに検討した.症状発現が穿刺から3週以上経過していた症例が3例あり,それらの症例では病期が進行していた.治療は全例に抗菌薬投与が行われた.4例に外科的治療を施行し,うち2例は麻痺が残存した.穿刺から長期間経過後に症状が顕在化する場合,症状発現時には病期が進行している可能性があるため,硬膜外穿刺後に発熱や背部痛を認める場合には,穿刺の時期にかかわらず硬膜外膿瘍を念頭に置いて診断,治療にあたる必要がある.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.289