トラマドールに対する鎮痛効果への期待と副作用の不安の関係:臨床実習前の医学生を対象とした予備調査

鎮痛薬の有効性はプラセボ・ノセボ効果の影響を強く受ける.特に,鎮痛薬への期待と不安は,それらの発現に重要と考えられる.今回,臨床実習前の医学生を対象として新規に説明を受けた鎮痛薬の期待と不安の関係についてアンケートを用いた予備調査を行った.医学部4年生(108名)に対し,弱オピオイド鎮痛薬のトラマドールの説明を通常臨床と同様に行った.その後,トラマドールの鎮痛効果への期待と副作用の不安について11段階で評価した.その結果,トラマドールの鎮痛効果への期待度と副作用の不安度には有意な正の相関が見られた(Spearmanの順位相関係数:0.392).鎮痛薬のプラセボ効果を最大限にして,ノセボ効果を最...

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2017/01/15, Vol.37(1), pp.29-32
Hauptverfasser: 重松ロカテッリ, 万里恵, 河野, 崇, 山中, 大樹, 立岩, 浩規, 北岡, 智子, 横山, 正尚
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:鎮痛薬の有効性はプラセボ・ノセボ効果の影響を強く受ける.特に,鎮痛薬への期待と不安は,それらの発現に重要と考えられる.今回,臨床実習前の医学生を対象として新規に説明を受けた鎮痛薬の期待と不安の関係についてアンケートを用いた予備調査を行った.医学部4年生(108名)に対し,弱オピオイド鎮痛薬のトラマドールの説明を通常臨床と同様に行った.その後,トラマドールの鎮痛効果への期待と副作用の不安について11段階で評価した.その結果,トラマドールの鎮痛効果への期待度と副作用の不安度には有意な正の相関が見られた(Spearmanの順位相関係数:0.392).鎮痛薬のプラセボ効果を最大限にして,ノセボ効果を最小限にすることは医療従事者にとって永遠の課題といえるが,その達成のため今後もさらなる検討が必要と考えられる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.29