開頭術後人工呼吸中の動脈血二酸化炭素分圧管理においてINTELLiVENT®-ASVが有用だった1例

INTELLiVENT®-ASV(以下,iASV)はクローズドループ機構により厳密な動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)管理が期待できるが,開頭術後の人工呼吸でのiASVの有効性を示す報告はない.今回,脳幹部腫瘍摘出術術後にiASVを用いた人工呼吸を行い,厳密なPaCO2管理を行うことができた.34歳の男性.大孔部髄膜腫に対して開頭腫瘍摘出術が予定され,延髄尾側から第1頚髄の髄内まで腫瘍を摘出した.術当日は人工呼吸管理を継続した.高二酸化炭素血症を回避するためにiASVモードを選択し,自動的な目標分時換気量の変更を行った.経過中の呼気終末二酸化炭素分圧(EtCO2)とPaCO2は,おおむね36〜...

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2016/07/15, Vol.36(4), pp.425-428
Hauptverfasser: 日名, 太一, 渕上, 竜也, 真玉橋, 由衣子, 照屋, 孝二, 垣花, 学
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:INTELLiVENT®-ASV(以下,iASV)はクローズドループ機構により厳密な動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)管理が期待できるが,開頭術後の人工呼吸でのiASVの有効性を示す報告はない.今回,脳幹部腫瘍摘出術術後にiASVを用いた人工呼吸を行い,厳密なPaCO2管理を行うことができた.34歳の男性.大孔部髄膜腫に対して開頭腫瘍摘出術が予定され,延髄尾側から第1頚髄の髄内まで腫瘍を摘出した.術当日は人工呼吸管理を継続した.高二酸化炭素血症を回避するためにiASVモードを選択し,自動的な目標分時換気量の変更を行った.経過中の呼気終末二酸化炭素分圧(EtCO2)とPaCO2は,おおむね36〜38Torrで安定していた.この機能により,脳外科術後人工呼吸中の厳密な換気調整を簡便に行うことができた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.425