甲状腺全摘術後の甲状腺クリーゼから多臓器不全に陥ったが血漿交換を契機に救命し得た1例

内科的治療が奏効せず甲状腺機能亢進のまま甲状腺全摘術を要したバセドウ病患者の周術期管理を経験した.手術はセボフルランとレミフェンタニルを用いた全身麻酔下に行われ,カルぺリチドとランジオロールを術中使用した.翌日抜管したが,数時間後より甲状腺クリーゼを発症し徐脈から心停止に至った.心拍再開後,多臓器不全(心・肺・肝・腎不全,DIC)を合併し治療に難渋した.術後2日目,血漿交換を契機にショックを離脱し得た.その後,全身状態は改善傾向を示し術後19日目にICUを退室した.血漿交換は適用基準・時期・回数等未解決な点も多いが,内科的治療に抵抗する甲状腺全摘術後の重症クリーゼでは治療手段の一つになり得ると...

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2015/09/15, Vol.35(5), pp.601-606
Hauptverfasser: 廣﨑, 早江子, 若松, 正樹, 平野, 洋子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:内科的治療が奏効せず甲状腺機能亢進のまま甲状腺全摘術を要したバセドウ病患者の周術期管理を経験した.手術はセボフルランとレミフェンタニルを用いた全身麻酔下に行われ,カルぺリチドとランジオロールを術中使用した.翌日抜管したが,数時間後より甲状腺クリーゼを発症し徐脈から心停止に至った.心拍再開後,多臓器不全(心・肺・肝・腎不全,DIC)を合併し治療に難渋した.術後2日目,血漿交換を契機にショックを離脱し得た.その後,全身状態は改善傾向を示し術後19日目にICUを退室した.血漿交換は適用基準・時期・回数等未解決な点も多いが,内科的治療に抵抗する甲状腺全摘術後の重症クリーゼでは治療手段の一つになり得ると考えられる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.35.601