「医事紛争」によせて

医療事故が起こった場合, 医事紛争になるのを防ぐために何が重要か検討するのがこのパネルディスカッションの企画された意図であり, 大会会長の意図でもある. まず, 事故が起こった場合, 説明義務違反に基づく賠償請求は, 患者側からは証明が容易であり, 精神的な損害を追及することも可能であることにより, 今後増加が予想される. これに対して, 医療側は, 麻酔の説明文書においては患者がより理解しやすい文章, 言葉を選ぶ必要がある. また, より具体的なデータに基づき, 個別的に説明する必要がある. 実際の市民病院レベルでのこうした説明では, 患者を煩わせることなく麻酔の理解を深めるのに役立ったとさ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2011, Vol.31(5), pp.798-798
Hauptverfasser: 野坂, 修一, 中馬, 理一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:医療事故が起こった場合, 医事紛争になるのを防ぐために何が重要か検討するのがこのパネルディスカッションの企画された意図であり, 大会会長の意図でもある. まず, 事故が起こった場合, 説明義務違反に基づく賠償請求は, 患者側からは証明が容易であり, 精神的な損害を追及することも可能であることにより, 今後増加が予想される. これに対して, 医療側は, 麻酔の説明文書においては患者がより理解しやすい文章, 言葉を選ぶ必要がある. また, より具体的なデータに基づき, 個別的に説明する必要がある. 実際の市民病院レベルでのこうした説明では, 患者を煩わせることなく麻酔の理解を深めるのに役立ったとされた. 一方, 過去の医事紛争化した事例での判例を検討すると, 過失があり, それが結果としての事故と因果関係があるとする法理論がすでに確立されている. しかし, 近年の事例を検討すると, この過失に関しては推定により認定されうること, また, その因果関係も推定されることがありうることがあげられる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.31.798