心臓血管手術における深層手術部位感染の検討

心臓血管手術1,212例でサーベイランスを施行し,深層手術部位感染に関与する因子を検討した.深層手術部位感染は37例(3.1%)に発生し,起炎菌として,メチシリン耐性の黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌が70%の症例から検出された.危険因子は男性,糖尿病,腎機能障害,末梢血管障害で,術後在院日数は非感染群と比較して長かった(80±45 vs. 22±13日).さらにNational Nosocomial Infection Surveillance risk indexのT時間(心臓血管手術では5時間)を超える症例が84%を占め,冠動脈バイパス手術において両側内胸動脈使用が67%と高率であった...

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2011, Vol.31(2), pp.298-304
Hauptverfasser: 野中, 崇広, 藤本, 昌史, 大友, 純, 前川, 謙悟, 馬場, 知子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:心臓血管手術1,212例でサーベイランスを施行し,深層手術部位感染に関与する因子を検討した.深層手術部位感染は37例(3.1%)に発生し,起炎菌として,メチシリン耐性の黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌が70%の症例から検出された.危険因子は男性,糖尿病,腎機能障害,末梢血管障害で,術後在院日数は非感染群と比較して長かった(80±45 vs. 22±13日).さらにNational Nosocomial Infection Surveillance risk indexのT時間(心臓血管手術では5時間)を超える症例が84%を占め,冠動脈バイパス手術において両側内胸動脈使用が67%と高率であった.周術期の血糖コントロールに加え,動脈硬化進行例では手術時間を短縮し,両側内胸動脈の使用を避けることが感染予防につながると考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.31.298