重症な呼吸機能低下を有する若年性進行性肺嚢胞患者の麻酔経験

重症な呼吸機能低下を伴った若年性進行性肺嚢胞患者で両側肺嚢胞切除術を同時に行う麻酔を経験した. 同時に両側の肺嚢胞切除術を行う場合, 手術が長時間に及び侵襲も大きくなるが, 早期のリハビリ開始と入院期間の短縮が期待できる. 本症例は重症の肺気腫で呼吸機能が著明に低下していた. このため早期離床が重要であるとの観点から硬膜外鎮痛を併用した. 術後に喘息の増悪やMRSA肺炎, 膿胸を合併し治療に難渋したが, 約4ヵ月で軽快し, 退院した. 両側一期的VATS (video assisted thoracoscopy) を本症例のように重篤な呼吸機能低下例に施行する場合, 硬膜外鎮痛の併用は有用であ...

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2009/01/15, Vol.29(2), pp.217-221
Hauptverfasser: 河野, 伸一, 東, 秀和, 小島, 康裕, 上原, 博和, 佐藤, 重仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:重症な呼吸機能低下を伴った若年性進行性肺嚢胞患者で両側肺嚢胞切除術を同時に行う麻酔を経験した. 同時に両側の肺嚢胞切除術を行う場合, 手術が長時間に及び侵襲も大きくなるが, 早期のリハビリ開始と入院期間の短縮が期待できる. 本症例は重症の肺気腫で呼吸機能が著明に低下していた. このため早期離床が重要であるとの観点から硬膜外鎮痛を併用した. 術後に喘息の増悪やMRSA肺炎, 膿胸を合併し治療に難渋したが, 約4ヵ月で軽快し, 退院した. 両側一期的VATS (video assisted thoracoscopy) を本症例のように重篤な呼吸機能低下例に施行する場合, 硬膜外鎮痛の併用は有用であると考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.29.217