カエル坐骨神経の複合活動電位に及ぼす漢方薬の作用
「はじめに」非選択的な陽イオン透過性を持つイオンチャネルであるtransient receptor potential(TRP)チャネルは, 1次感覚ニューロンの末梢端に存在して植物由来の生理活性物質や温度に応じて開口する. その結果, 膜が脱分極して活動電位を発生し, その刺激情報を中枢へ伝える18). 一方, TRPチャネルは, その中枢端にも発現していて, チャネル開口により膜の脱分極が起こると, 脊髄後角第II層のニューロンへのグルタミン酸の自発放出が促進され12, 16, 23), この作用は痛み伝達の修飾に働くと考えられている. 我々は, 最近, カプサイシン(唐辛子成分)やジンゲ...
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Veröffentlicht in: | PAIN RESEARCH 2013-03, Vol.28 (1), p.9-21 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」非選択的な陽イオン透過性を持つイオンチャネルであるtransient receptor potential(TRP)チャネルは, 1次感覚ニューロンの末梢端に存在して植物由来の生理活性物質や温度に応じて開口する. その結果, 膜が脱分極して活動電位を発生し, その刺激情報を中枢へ伝える18). 一方, TRPチャネルは, その中枢端にも発現していて, チャネル開口により膜の脱分極が起こると, 脊髄後角第II層のニューロンへのグルタミン酸の自発放出が促進され12, 16, 23), この作用は痛み伝達の修飾に働くと考えられている. 我々は, 最近, カプサイシン(唐辛子成分)やジンゲロン(生姜成分)のようなバニロイド化合物であるTRP vanilloid-1(TRPV1)作動薬19), また, メントール(ペパーミント成分)やシネオール(ユーカリ成分)のようなTRP melastatin-8(TRPM8)作動薬5)が, TRPチャネルの活性化を伴わずに, カエル坐骨神経から記録される電位作動性Na+チャネル阻害薬テトロドトキシン(TTX)感受性の複合活動電位(CAP)を抑制することを明らかにしている. |
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ISSN: | 0915-8588 |
DOI: | 10.11154/pain.28.9 |