ネオスチグミンのリガンド結合型イオンチャンネルへの直接作用

コリンエステラーゼ阻害薬であるネオスチグミンのくも膜下腔投与による主な疼痛抑制機序は, 内因性アセチルコリンの増加による脊髄後角のmACh受容体を介していることが明らかになっている. 一方, NMDA, GABA_A , nACh, 5-HT_3 受容体などのリガンド結合型イオンチャンネルは広く中枢神経に分布し, 疼痛伝達および抑制に関与するが, コリンエステラーゼ阻害薬による修飾を受けると古くより報告されている. 今回, 我々は, アフリカツメガエル卵母細胞の系で電気生理学的手法を用いてネオスチグミンの直接作用を調べた. クローン化された各種cDNAを卵母細胞に注入し, 培養後, NMDA(...

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Veröffentlicht in:PAIN RESEARCH 2001, Vol.16 (3), p.40-40
Hauptverfasser: 鈴木高広, 阪上学, 柴田政彦, 内田一郎, 真下節
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:コリンエステラーゼ阻害薬であるネオスチグミンのくも膜下腔投与による主な疼痛抑制機序は, 内因性アセチルコリンの増加による脊髄後角のmACh受容体を介していることが明らかになっている. 一方, NMDA, GABA_A , nACh, 5-HT_3 受容体などのリガンド結合型イオンチャンネルは広く中枢神経に分布し, 疼痛伝達および抑制に関与するが, コリンエステラーゼ阻害薬による修飾を受けると古くより報告されている. 今回, 我々は, アフリカツメガエル卵母細胞の系で電気生理学的手法を用いてネオスチグミンの直接作用を調べた. クローン化された各種cDNAを卵母細胞に注入し, 培養後, NMDA(ε_2 ζ_1 ), GABAA(α_1 β_2 γ_2 s), nACh(α_4 β_2 ,α_7 ), 5-HT_3 の5種類の受容体を発現させた. 各アゴニストに対する容量反応曲線を作成後, ネオスチグミンの作用を調べた. NMDA, GABA_A 受容体に対しては, 100mMまで修飾は見られなかったが, nACh(α_4 β_2 ,α_7 ), 5-HT_3 受容体は, 容量依存的に抑制された(50%抑制濃度:43.5μM(α_4 β_2 ), 82.1μM(α_7 ), 2.04mM(5-HT_3 )). α_4 β_2 nACh, α_7 nAChは中枢神経に広く存在し, 疼痛抑制機序に関与する可能性が示唆されているが, 今回, ネオスチグミンは臨床濃度でnACh受容体を抑制し, nACh受容体を介する疼痛抑制機序存在の可能性が示唆された.
ISSN:0915-8588