カプサイシン誘発モルモット啼声反応に対するCP-96,345, MEN-10,376およびMK-801の脊髄クモ膜下腔内投与の影響
〔目的〕一次知覚神経への各種侵害刺激により, 数種のタキキニンおよび興奮性アミノ酸(EAAs)の遊離がin vitroおよびin situ実験において確認されている. また行動薬理学的にも動物の侵害刺激による疼痛関連行動を上記物質の拮抗薬が抑制することも報告されていることから, これらの内因性物質は細径一次知覚神経の伝達物質と考えられている. そこで本実験では, モルモット啼声反応を血管性疼痛モデルとして用い, カプサイシン(CAP)誘発血管性疼痛反応における脊髄内タキキニン(NK-1, NK-2)およびEAAs(NMDA)受容体の関与を探る目的で, 3者の拮抗薬の脊髄クモ膜下腔内(i.t.)...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | PAIN RESEARCH 1996, Vol.11 (3), p.229-229 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 〔目的〕一次知覚神経への各種侵害刺激により, 数種のタキキニンおよび興奮性アミノ酸(EAAs)の遊離がin vitroおよびin situ実験において確認されている. また行動薬理学的にも動物の侵害刺激による疼痛関連行動を上記物質の拮抗薬が抑制することも報告されていることから, これらの内因性物質は細径一次知覚神経の伝達物質と考えられている. そこで本実験では, モルモット啼声反応を血管性疼痛モデルとして用い, カプサイシン(CAP)誘発血管性疼痛反応における脊髄内タキキニン(NK-1, NK-2)およびEAAs(NMDA)受容体の関与を探る目的で, 3者の拮抗薬の脊髄クモ膜下腔内(i.t.)投与の影響について検討した. 〔実験方法〕実験にはエーテル麻酔下で後肢大腿動脈および腰髄のクモ膜下腔内へカニューレを挿入したHartley系雄性モルモット(500-530g)を術後14日以降に使用した. 啼声反応の記録および分析は鳴き声を録音後, シグナルプロセッサーにて積分し, その積分図を紙面上へ記録した. さらに相対的積分値, 反応潜時および持続時間の3点を求め, vehicle投与群-拮抗薬投与群間で比較検討した. なお, NK-1受容体拮抗薬としてCP-96,345(50nmol), NK-2受容体拮抗薬としてMEN-10,376(40nmol)およびEAAs拮抗薬としてNMDA受容体拮抗薬のMK-801(20nmol)を使用した. 〔結果および考察〕CAP(1μg)の後肢大腿動脈内逆行性投与により誘発される啼声反応に対して, CP-96,345のi.t.投与の影響を120分後まで観察したところ, 相対的積分値, 反応潜時および持続時間のいずれの項目においても有意な変化は認められなかった. しかし, MEN-10,376投与群では, 投与30分後より120分後まで相対的積分値のみ有意な低下が観察された. また, MK-801は, 投与10分後と30分後に相対的積分値, 投与30, 60, および120分後において有意の反応持続時間の短縮が認められた. しかし, 反応潜時には影響を与えなかった. 以上の結果から, CAP誘発の血管性疼痛反応において, 脊髄内NK-2およびNMDA受容体が強く関与することが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0915-8588 |