ヒト前腕皮膚での反復熱刺激による刺痛閾値および軸索反射性血管拡張反応の変化
[目的]皮膚の反復熱刺激により, 刺痛閾値上昇がみられることが知られている(Mizutani et al. Pain Res., 7, 115-122, 1992). 同時に熱刺激による軸索反射性の血管拡張反応が観察できる(Karita et al. Pain Res., 10, 93-97, 1995). 今回我々は, 温度刺激装置と血流計をもちいて, 反復熱刺激による刺痛閾値上昇の発生機構と軸索反射性血管拡張反応の発生機構との関連を調べた. [方法]実験には健康な成人男性の右前腕皮膚を用いた. 接触型熱刺激装置(Mizutani et al., Pain Res., 8, 171, 199...
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Veröffentlicht in: | PAIN RESEARCH 1995, Vol.10 (3), p.154-154 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的]皮膚の反復熱刺激により, 刺痛閾値上昇がみられることが知られている(Mizutani et al. Pain Res., 7, 115-122, 1992). 同時に熱刺激による軸索反射性の血管拡張反応が観察できる(Karita et al. Pain Res., 10, 93-97, 1995). 今回我々は, 温度刺激装置と血流計をもちいて, 反復熱刺激による刺痛閾値上昇の発生機構と軸索反射性血管拡張反応の発生機構との関連を調べた. [方法]実験には健康な成人男性の右前腕皮膚を用いた. 接触型熱刺激装置(Mizutani et al., Pain Res., 8, 171, 1993)により直径8mmの円形部皮膚に台形状(立ち上がり5℃/sec)に制御された熱(35℃に予備加温, ピーク時47℃, 3sec)を反復(5-10分間隔, 6-7回)して与えた. なお, 反復間隔は軸索反射性の血管拡張反応が基調値にもどる時間で定めた. 刺激の中心部(C点)とそこから10mm離れた非刺激部(P点)から血流を測定した(レーザードプラー血流計:Moor社製MBF-3D). 熱刺激後に刺激部の痛みの感覚をVAS法で答えさせた. また, C点, P点での血管拡張反応, および刺激による疼痛感覚の変動を測定した. 次に, 反復熱刺激による刺痛閾値上昇が末梢性のものか, 中枢性のものかを調べるため, 反復熱刺激による刺痛閾値上昇が観察された後に再び熱刺激をC点から10-15mmの部位(Q点)に与え痛み感覚を調べた. [結果]熱刺激部位(C点)での刺痛感覚は2回目から低下(閾値上昇)が観察された. しかし, 熱刺激によって軸索反射性に生じた血管拡張反応には反復刺激によっても変動は観察されなかった. またC点近く(10-15mm)のQ点では刺痛閾値上昇現象がC点の熱刺激(47℃)によっては生じていなかった. [考察および結論]感覚閾値変動の結果から, 熱刺激による刺痛感覚閾値上昇の発生機構は軸索反射性血管拡張反応の発生機構(ポリモーダルC線維の興奮)とは異なることが知られた. また, 熱刺激による刺痛感覚閾値上昇は主として末梢性に生じていると考えられた. |
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ISSN: | 0915-8588 |