慢性疼痛発現における脊髄内somatostatinおよびsubstance P投与の効果
〔緒言〕ratやmouseの末梢神経切断後に生じるself-mutilation, いわゆるautotomy, はヒトにおける幻肢痛モデルのひとつとされている. この末梢神経切断後のautotomy発現に対し, 神経切断前の除神経領域へのheat injuryやformalin injectionが促通をおこすことが知られており, autotomy促通機序における中枢神経系の関与が示唆されている. 一方, 末梢の侵害性刺激により脊髄後角にsubstance P(SP)やsomatostatin(SST)が放出されることが知られている. 本研究では, 除神経前の侵害性刺激によるautotomy促...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 〔緒言〕ratやmouseの末梢神経切断後に生じるself-mutilation, いわゆるautotomy, はヒトにおける幻肢痛モデルのひとつとされている. この末梢神経切断後のautotomy発現に対し, 神経切断前の除神経領域へのheat injuryやformalin injectionが促通をおこすことが知られており, autotomy促通機序における中枢神経系の関与が示唆されている. 一方, 末梢の侵害性刺激により脊髄後角にsubstance P(SP)やsomatostatin(SST)が放出されることが知られている. 本研究では, 除神経前の侵害性刺激によるautotomy促通機序における, 脊髄内substance Pおよびsomatostatinの関与について検討を行った. 〔方法〕実験には雄のddyマウスを用いた. pento-barbital麻酔下(100mg/kg)に, 薬剤はL5-L6間よりケモ膜下にマイクロシリンジにて5μl投与し, 左側のsciatic nerveおよびsaphenous nerveを結紮切断した. マウスは2群に分けた. 一群ではクモ膜下にSP(0.19nmol), SP antagonist(spantide 0.33nmol)またはsalineを投与した後, ただちに左下肢足部を55℃の温湯に16秒間つけ, 20分後に神経切断を行った. もう一群ではクモ膜下にSP(3.2nmol), SST(8.5nmol)またはsalineを投与し, 5分, 20分または40分経過後に神経切断を行った. autotomyはscore化し, 6週間観察記録した. 〔結果〕除神経前のheat injuryにより有意にautotomyは促通された. このpreheat injuryによるautotomyの促通はSPの投与により有意に抑制されたのに対し, SP antagonistの投与では逆に著明に重度まで促通された. autotomyは除神経前のクモ膜下へのSST, SPの投与のみによっても有意に促通された. autotomyはSST投与20分後に神経切断したとき最も著明に促通されたが, 40分後では促通効果は低下した. SPの投与5分後の切断では有意な促通は認められたが, scoreはSST投与に比べ顕著に小さかった(P |
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ISSN: | 0915-8588 |