8.リハビリテーションの経過が手がかりとなり診断に至った胸椎髄膜腫の1例

症例は74歳, 女性. 38歳時より糖尿病. 3年半前に脳梗塞を発症し, 右上下肢の軽度麻痺としびれ感が残存. 3年前に洞不全症候群による意識消失のためペースメーカー植え込み術を受けた. 10ヵ月前から右上下肢のしびれ, 歩行困難, 排尿障害が出現し緩徐に増悪. 数カ所の医療機関を受診し, 「腰部脊柱管狭窄症」等と診断された. リハビリテーション目的で当院に紹介され運動療法を行うも, 次第に歩行が悪化し, 約30日後には歩けなくなった. 頭部, 頚, 胸椎の単純CTでは特記すべき所見なし. ペースメーカーのためにMRIができなかったが, 脊髄病変を疑いミエロCTを依頼. 第7胸椎に髄膜腫を認め...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2006-10, Vol.43 (10), p.697-697
Hauptverfasser: 三好 安, 三好正堂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は74歳, 女性. 38歳時より糖尿病. 3年半前に脳梗塞を発症し, 右上下肢の軽度麻痺としびれ感が残存. 3年前に洞不全症候群による意識消失のためペースメーカー植え込み術を受けた. 10ヵ月前から右上下肢のしびれ, 歩行困難, 排尿障害が出現し緩徐に増悪. 数カ所の医療機関を受診し, 「腰部脊柱管狭窄症」等と診断された. リハビリテーション目的で当院に紹介され運動療法を行うも, 次第に歩行が悪化し, 約30日後には歩けなくなった. 頭部, 頚, 胸椎の単純CTでは特記すべき所見なし. ペースメーカーのためにMRIができなかったが, 脊髄病変を疑いミエロCTを依頼. 第7胸椎に髄膜腫を認め, 摘出術を施行. 当院に再入院し, 約50日後には室内歩行自立となり自宅退院した. 脳梗塞, 糖尿病性末梢神経障害, 脊柱管狭窄症などのために臨床症状は複雑であったが, 運動療法で改善がみられないために積極的な検査を行い, 「胸椎髄膜腫」を診断できた症例である.
ISSN:0034-351X