12. 脳梗塞の回復期リハビリテーション経過中に発見した特発性正常圧水頭症の1例
特発性正常圧水頭症(I-NPH)は最近注目を集めSINPHONI(全国調査)の研究も進められている. 我々は脳梗塞片麻痺の回復期リハビリテーションを進めている間にI-NPHの進行を認めシャント手術によってADLの改善を認めた1例を経験した. I-NPHの診断は続発性NPHに比べて困難なことも少なくない. タッピングテストの評価を中心にI-NPH診断の問題点について検討した. 【病例】70歳, 男性. 2年前より物忘れがみられていた. トイレに行こうとしたが左片麻痺が出現し, 転倒し当院入院. 脳梗塞の診断で抗血小板療法施行(2週間). 急性期からリハを開始し, 左片麻痺は改善してきた. しかし...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2006-06, Vol.43 (6), p.388-388 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 特発性正常圧水頭症(I-NPH)は最近注目を集めSINPHONI(全国調査)の研究も進められている. 我々は脳梗塞片麻痺の回復期リハビリテーションを進めている間にI-NPHの進行を認めシャント手術によってADLの改善を認めた1例を経験した. I-NPHの診断は続発性NPHに比べて困難なことも少なくない. タッピングテストの評価を中心にI-NPH診断の問題点について検討した. 【病例】70歳, 男性. 2年前より物忘れがみられていた. トイレに行こうとしたが左片麻痺が出現し, 転倒し当院入院. 脳梗塞の診断で抗血小板療法施行(2週間). 急性期からリハを開始し, 左片麻痺は改善してきた. しかし尿失禁は続き1ヵ月を過ぎた頃よりADLが低下し, 小刻み歩行やすくみ足現象も認められたのでタッピングテストを行った. タッピングテストの評価で平行棒内5m往復の歩行時間と歩数を比較したところ歩行障害の著明な改善を認めたため, LPシャント手術を行った. 杖歩行が可能となり尿失禁も消失し現在, 在宅通院中である. 【考察】タッピングテストはADLに応じて歩行機能を評価すべきである. 自立歩行可能な病例は3m up&goが推奨されているが本症例のように自立歩行不可能な症例は平行棒歩行でも評価可能である. 更にタップテストの精細な評価として, 少なくとも1日目, 2日目, 7日目と期間にも注目した観察が必要であることを強調したい. |
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ISSN: | 0034-351X |