5.知的障害者更生施設利用が有効であった脳外傷長期経過後の1例

症例は37歳, 男性. 18年前の脳外傷受傷後, 作業所, 更生施設など福祉施設利用や精神病院入院を行うが, お金, タバコの無心, 借金, 無銭飲食, 他者への暴言などにより, いずれの施設も利用継続不可となっていた. 当院で評価入院を行い, 知的能力低下, 記憶障害, 脱抑制などを認めたが, 簡易作業可能であり, 入院時の約束をほぼ守って過ごすことができたため, 知的障害者施設利用可能と判断した. 施設と情報交換を行い, 対応法を検討し, (1)個人のルール作り, (2)スケジュールの決定, (3)訓練チェック表の導入, (4)集団生活への配慮, (5)Positive feedbackと...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2005-12, Vol.42 (12), p.889-889
Hauptverfasser: 岡本隆嗣, 青木重陽, 林 恵子, 松元 健, 殿村希世子, 大橋正洋, 滝澤 学, 田中庸生, 大西正晃, 八田敏子, 宮野佐年
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は37歳, 男性. 18年前の脳外傷受傷後, 作業所, 更生施設など福祉施設利用や精神病院入院を行うが, お金, タバコの無心, 借金, 無銭飲食, 他者への暴言などにより, いずれの施設も利用継続不可となっていた. 当院で評価入院を行い, 知的能力低下, 記憶障害, 脱抑制などを認めたが, 簡易作業可能であり, 入院時の約束をほぼ守って過ごすことができたため, 知的障害者施設利用可能と判断した. 施設と情報交換を行い, 対応法を検討し, (1)個人のルール作り, (2)スケジュールの決定, (3)訓練チェック表の導入, (4)集団生活への配慮, (5)Positive feedbackと不適応行動の注意, などとした. 9ヵ月後, 不適応行動は減少し, 向精神薬は減量可能であった. 環境構造化による行動コントロールが有効であったと考えられた. 本症例より, (1)自由が多いと問題行動が増える, (2)2者関係の構築が可能, (3)知的障害者施設の利用に抵抗がない, などが施設の適応と思われる.
ISSN:0034-351X