6. Wallenberg症候群における嚥下障害-患側優位の食塊通過を認めた1例
Wallenberg症候群において食塊の輪状咽頭部の通過側に関しては, 健側優位との報告が多いが患側の方が飲み込みやすいとの報告もある. 今回, 急性期に患側優位で慢性期に患側の優位性が消失した例を経験した. 【症例】77歳, 女性【現病歴】2004年5月, 突然のめまいが出現し, 当院入院. 左向き注視眼振, 複視, 右瞳孔縮瞳, 右反回神経麻痺, 嚥下困難が認められ, 頭部MRI所見から延髄外側梗塞と診断した. 嚥下障害は約50日間続いたが, 藤島グレード7と軽症であった. 発症第29病日と第71病日に水, とろみ, ゼリーの3種の食形態で, 嚥下造影検査(VF)を施行した. 嚥下障害を認...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2004-12, Vol.41 (12), p.892-892 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Wallenberg症候群において食塊の輪状咽頭部の通過側に関しては, 健側優位との報告が多いが患側の方が飲み込みやすいとの報告もある. 今回, 急性期に患側優位で慢性期に患側の優位性が消失した例を経験した. 【症例】77歳, 女性【現病歴】2004年5月, 突然のめまいが出現し, 当院入院. 左向き注視眼振, 複視, 右瞳孔縮瞳, 右反回神経麻痺, 嚥下困難が認められ, 頭部MRI所見から延髄外側梗塞と診断した. 嚥下障害は約50日間続いたが, 藤島グレード7と軽症であった. 発症第29病日と第71病日に水, とろみ, ゼリーの3種の食形態で, 嚥下造影検査(VF)を施行した. 嚥下障害を認めた第29病日のVFでは患側優位の嚥下が見られ, 右向き回旋頭位では健側を通過した. 嚥下障害が消失した第71病日には通過側の左右差が消失していた. 【考察】本症候群では患側優位の嚥下の報告は少ない. 本例は経過とともに患側の優位性が消失したが, 急性期においては患側優位となる例があることを提示した. |
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ISSN: | 0034-351X |