7.脳卒中患者の配偶者への感謝

【目的】脳卒中患者が障害を克服する上で配偶者の役割は大きい. 脳卒中患者の配偶者への感謝の状況について面接による調査を行った. 【対象】当院の外来に通院している患者で男性39例(年齢64.8±8.3, 発症後8.0±5.2年), 女性12例(年齢61.7±9.4, 発症後12.7±4.9年)である. 【結果】男性の妻への感謝は, 39例中発症前10例, 発症後34例. 発症後も感謝していないのは5例. 発症後の感謝理由は, 世話をかけるから29例, 精神的に支えてくれているから26例, 生活が苦しくさせたから6例. 感謝を言葉で表現したことがないのは23例(68%)で, 表現しない理由は, 男...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2003-09, Vol.40 (9), p.627-627
Hauptverfasser: 岡本五十雄, 菅沼宏之, 鎌倉嘉一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】脳卒中患者が障害を克服する上で配偶者の役割は大きい. 脳卒中患者の配偶者への感謝の状況について面接による調査を行った. 【対象】当院の外来に通院している患者で男性39例(年齢64.8±8.3, 発症後8.0±5.2年), 女性12例(年齢61.7±9.4, 発症後12.7±4.9年)である. 【結果】男性の妻への感謝は, 39例中発症前10例, 発症後34例. 発症後も感謝していないのは5例. 発症後の感謝理由は, 世話をかけるから29例, 精神的に支えてくれているから26例, 生活が苦しくさせたから6例. 感謝を言葉で表現したことがないのは23例(68%)で, 表現しない理由は, 男として口に出しては言えない14例であった. 23例中, 失語症は9例で, うち8例は, 表現しにくいからということでなく, 男として言えないであった. 女性の夫への感謝については, 発症前2例, 発症後10例. その理由は, 世話をかけるから8例, 精神的に支えてくれているから8例, 生活が苦しくなったから1例. 感謝の気持ちを言葉で10例(83%)が表わしていた. 【考察】発症後, 多くの患者は配偶者に感謝するようになっている. 感謝表現が男性に少ない理由として, 日本人男性のプライドが, 逆に女性では, 弱い立場ゆえに言葉となっていると考えられる. しかし, 両者とも, 生きていく上で配偶者の役割は大きい.
ISSN:0034-351X