麻痺を伴う患者における骨粗鬆症について
骨粗鬆症の進行に及ぼす運動麻痺の影響を見るために, 外来通院加療中の脳出血脳梗塞など脳卒中患者36例, 脊髄損傷脊髄梗塞などの脊髄障害患者18例(性別は男性39例, 女性15例, 発症年齢は22~76歳, 平均55歳)を対象に両側大腿骨頸部の骨密度をDEXA法により測定した. 発症後平均45ヵ月(3~270ヵ月)で最初の測定を行い, さらに平均14ヵ月(10~19ヵ月)経過後に再度測定した. 介入手段であるエチドロネート投与群と非投与群に分けたところ, 両群間に男女比, 発症年齢, 歩行能力, 身長, 体重, 脊髄障害と脳卒中の比率, 発症後の経過月数の違いはなかった. そこで性別, 発症年齢...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2002-12, Vol.39 (12), p.793-796 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 骨粗鬆症の進行に及ぼす運動麻痺の影響を見るために, 外来通院加療中の脳出血脳梗塞など脳卒中患者36例, 脊髄損傷脊髄梗塞などの脊髄障害患者18例(性別は男性39例, 女性15例, 発症年齢は22~76歳, 平均55歳)を対象に両側大腿骨頸部の骨密度をDEXA法により測定した. 発症後平均45ヵ月(3~270ヵ月)で最初の測定を行い, さらに平均14ヵ月(10~19ヵ月)経過後に再度測定した. 介入手段であるエチドロネート投与群と非投与群に分けたところ, 両群間に男女比, 発症年齢, 歩行能力, 身長, 体重, 脊髄障害と脳卒中の比率, 発症後の経過月数の違いはなかった. そこで性別, 発症年齢, 脊髄損傷の有無, 麻痺側であること, 歩行能力, エチドロネート投与の有無, 身長, 体重, 発症後の経過月数を独立変数, 大腿骨頸部の骨密度の変化量を従属変数とする重回帰分析(r2=0. 276, P=0. 0002)において, エチドロネート投与(t=2. 017, P=O. 0466), 脊髄損傷患者(t=-2. 976, p=0. 0037), 発症後の経過(t=2. 107, p=0. 0377)とそれぞれ有意な影響を与えることが明らかになった. 以上麻痺患者の骨粗鬆症において, 脊髄損傷であることは骨密度減少に有意に働き, エチドロネート投与や発症後長時間経過していることは, 逆に骨密度の減少抑制に有意に働くと考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |