咀嚼負荷嚥下法:Process-Swallowing Test

「目的」健常成人において検証した咀嚼負荷嚥下法を軽度嚥下障害例に試用しその意義を検討した. 「方法」対象は嚥下障害が疑われ嚥下造影検査を施行した11例(男9, 女2), 平均年齢61.8歳. 脳卒中7例, 脊髄小脳変性症1例, 変形性頸椎症1例, Ramsay Hunt症候群1例, 胃癌術後1例, 重症度分類では機会誤嚥5例, 口腔問題3例, 軽度問題3例であった. 嚥下造影はバリウム水溶液10ml(液体), バリウム含有コンビーフ8g(コンビーフ), 液体5ml・コンビーフ4gの混合物(混合物)の3種を使用し, 液体は命令嚥下を1施行と咀嚼嚥下を1施行, 他は咀嚼嚥下を各1施行で側面像を記録...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S359-S359
Hauptverfasser: 馬場尊, 才藤栄一, 武田斉子, 松尾浩一郎, 藤井航, 奥井美枝, 村田宣彦, 田中ともみ, Palmer JB
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」健常成人において検証した咀嚼負荷嚥下法を軽度嚥下障害例に試用しその意義を検討した. 「方法」対象は嚥下障害が疑われ嚥下造影検査を施行した11例(男9, 女2), 平均年齢61.8歳. 脳卒中7例, 脊髄小脳変性症1例, 変形性頸椎症1例, Ramsay Hunt症候群1例, 胃癌術後1例, 重症度分類では機会誤嚥5例, 口腔問題3例, 軽度問題3例であった. 嚥下造影はバリウム水溶液10ml(液体), バリウム含有コンビーフ8g(コンビーフ), 液体5ml・コンビーフ4gの混合物(混合物)の3種を使用し, 液体は命令嚥下を1施行と咀嚼嚥下を1施行, 他は咀嚼嚥下を各1施行で側面像を記録した. 得られた映像より嚥下動態評価を行い, さらにStage II transport(ST II)の有無を判定しその出現率を検討した. 「結果」ST IIは全体では液体の命令嚥下で70%, 咀嚼嚥下で60%に出現した. コンビーフ, 混合物でST IIは100%に出現した. 機会誤嚥例では液体で全例にST IIが出現した. また, 咀嚼嚥下において, 液体で2例, 混合物で2例に誤嚥を認めた. 一方, 軽度問題例, 口腔問題例ではST IIはほとんど出現せず, 誤嚥も認めなかった. 「結論」ST IIは喉頭閉鎖のない状態下で中咽頭に食塊を送り込む運動である. 嚥下障害例ではST IIの出現率が高く, 特に機会誤嚥例で全例にST IIを認めた. 従って, 嚥下障害例においては咀嚼負荷における評価が重要と思われる.
ISSN:0034-351X