シリコーンライナーを使用した大腿義足の経験

〈症例1〉49歳男性, 交通事故による左大腿切断. 左上腕, 左鎖骨, 右大腿骨骨折, 骨盤骨折を合併し, 胆嚢炎を併発して開腹術施行. また左尺骨神経損傷も合併. 長断端であり健側筋力低下や上肢障害も合併していたので, 立位での吸着式ソケットは装着困難と考えシリコーンライナーを使用した大腿義足(以下S義足と省略)を仮義足で処方. 受傷9ヵ月後にT杖歩行自立して自宅退院. 〈症例2〉39歳男性, 右脛骨腫瘍病的骨折で発症. 切断時には両側多発肺転移と胸水貯留があり, MSコンチン使用中で呼吸困難と易疲労性があった. 義足装着して一次退院を強く希望した. 立位での吸着式ソケットは装着困難と考え切...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S333-S333
Hauptverfasser: 丸野紀子, 三上真弘, 阿方裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〈症例1〉49歳男性, 交通事故による左大腿切断. 左上腕, 左鎖骨, 右大腿骨骨折, 骨盤骨折を合併し, 胆嚢炎を併発して開腹術施行. また左尺骨神経損傷も合併. 長断端であり健側筋力低下や上肢障害も合併していたので, 立位での吸着式ソケットは装着困難と考えシリコーンライナーを使用した大腿義足(以下S義足と省略)を仮義足で処方. 受傷9ヵ月後にT杖歩行自立して自宅退院. 〈症例2〉39歳男性, 右脛骨腫瘍病的骨折で発症. 切断時には両側多発肺転移と胸水貯留があり, MSコンチン使用中で呼吸困難と易疲労性があった. 義足装着して一次退院を強く希望した. 立位での吸着式ソケットは装着困難と考え切断後3週でS義足を採型した. 義足は翌週完成し平行棒内歩行ができたので外泊した. 〈症例3〉28歳男性, 交通事故による両下肢デグロービング損傷, 右大腿切断, 左膝及び下腿開放骨折を受傷. 短断端であったので吸着式四辺形ソケットにシレジアンベルトを使用し, 受傷2年後に両側松葉杖歩行自立して自宅退院. その後, 座位でソケットが脱げやすいことより, S義足を作製. シレジアンベルトは必要なくなった. 〈症例4〉17歳男性, 左脛骨腫瘍に対して大腿切断術施行. 先天性無痛無汗症により右膝, 足関節に変形があり小児期より長下肢装具使用中. 両上肢の関節変形も合併していたので, 関節保護のため立位での吸着動作の必要のないS義足を作製した. 高齢大腿切断者に対してS義足の有効性を示した報告もあり, 今後も適応や有効性を検討してゆきたい.
ISSN:0034-351X