頭部外傷慢性期のびまん性脳損傷による高次脳機能障害と脳循環代謝
目的:慢性期の頭部外傷に伴なうびまん性脳損傷による高次脳機能障害と脳循環代謝との関連を明らかにする目的で検討した. 方法:対象は平均年齢28.8歳の男性16例と女性4例の20例. 受傷から評価までの平均期間は6.4ヶ月. 交通事故による初回受傷例であった. 高次脳機能障害はWAIS-Rによって評価した. PETは標識酸素ガス持続吸入法で測定し, 両側の前頭葉, 頭頂葉, 側頭葉および後頭葉で局所脳血流量と酸素消費量を算出した. 検討項目は, 1)VIQ,PIQおよびFIQと脳循環代謝との相関, 2)VIQ,PIQおよびFIQの軽症群と重症群との間の脳循環代謝の比較, 3)VIQ,PIQおよびF...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S332-S332 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:慢性期の頭部外傷に伴なうびまん性脳損傷による高次脳機能障害と脳循環代謝との関連を明らかにする目的で検討した. 方法:対象は平均年齢28.8歳の男性16例と女性4例の20例. 受傷から評価までの平均期間は6.4ヶ月. 交通事故による初回受傷例であった. 高次脳機能障害はWAIS-Rによって評価した. PETは標識酸素ガス持続吸入法で測定し, 両側の前頭葉, 頭頂葉, 側頭葉および後頭葉で局所脳血流量と酸素消費量を算出した. 検討項目は, 1)VIQ,PIQおよびFIQと脳循環代謝との相関, 2)VIQ,PIQおよびFIQの軽症群と重症群との間の脳循環代謝の比較, 3)VIQ,PIQおよびFIQの改善に伴なう脳循環代謝の変化であった. 結果:1)VIQ,PIQおよびFIQと局所脳血流量との間に相関はなかったが, VIQと全関心領域, FIQと右側頭葉を除く全関心領域で酸素消費量との間に有意な相関がみられた. 2)軽症群と比較して, VIQとFIQの重症群では両側の前頭葉, 側頭葉および後頭葉において, PIQの重症群では右側頭葉を除く全関心領域において酸素消費量は有意に低下した. 3)VIQの改善に伴ない両側の前頭葉と側頭葉, 右頭頂葉と後頭葉において, PIQとFIQの改善に伴い両側の前頭葉と側頭葉, 右後頭葉において酸素消費量は有意に増加した. 結論:頭部外傷のびまん性脳損傷では脳酸素代謝が低下した相対的なluxury perfusionを呈した. 高次脳機能障害の機序として主に前頭葉と側頭葉における脳代謝の低下に基づくworking memoryや注意が関与する神経回路の機能不全が考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |