頸椎症に対するレーザー治療

(目的)低反応レベルレーザー治療は, 骨関節疾患の疼痛緩解をはじめとしてリハビリテーション医学の分野でも広く使用されている. 今回, 頸椎症に対しレーザーを行い, その有用性につき検討した. (方法)対象は局所症状30例, 神経根症16例, 頸髄症8例の54例. 使用機器はGa-Al-As半導体レーザー(波長830nm, 出力60mw). 照射部位は局所症状では圧痛点へ, 神経根症では圧痛点, 放散痛を伴う部位および星状神経節近傍へ, 頸髄症では肘関節屈側の正中神経走行上および膝窩部の脛骨神経走行上とした. 1部位に1回30秒間合計90秒間を1回の治療とし週2回照射した. 照射期間は合計10回...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S317-S317
Hauptverfasser: 伊藤泰雄, 古市照人, 原田孝, 遠藤剛, 鶴岡広
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)低反応レベルレーザー治療は, 骨関節疾患の疼痛緩解をはじめとしてリハビリテーション医学の分野でも広く使用されている. 今回, 頸椎症に対しレーザーを行い, その有用性につき検討した. (方法)対象は局所症状30例, 神経根症16例, 頸髄症8例の54例. 使用機器はGa-Al-As半導体レーザー(波長830nm, 出力60mw). 照射部位は局所症状では圧痛点へ, 神経根症では圧痛点, 放散痛を伴う部位および星状神経節近傍へ, 頸髄症では肘関節屈側の正中神経走行上および膝窩部の脛骨神経走行上とした. 1部位に1回30秒間合計90秒間を1回の治療とし週2回照射した. 照射期間は合計10回(5週間)を1クールとした. 評価方法はPRS(Pain Relief Score), 足クローヌスの回数, JOA score等で行った. (結果ならびに結論)1, 局所症状は有効率80%. 筋の微細振動波形の分析では照射後θ波が著しく減少して副交感神経優位となり, 血流が改善して疼痛緩和に結びついたものと考えられた. 2, 神経根症は有効率69%. 星状神経節近傍照射後脈波基線変動が活発となり脈波高も増大したことからレーザーが血管運動神経へ作用して頸部, 手指の痛み, 放散痛が改善されたものと考えられた. 3, 頸髄症は有効率75%. 正中神経近傍照射後手指の随意運動が容易になったり, 脛骨神経照射後足クローヌスが減少し歩きやすくなった. これはレーザーが神経ブロック様作用として働き, 痙性を抑制したものと推察された.
ISSN:0034-351X