脳卒中患者に対する誤嚥防止の外科的治療後の追跡調査

目的;当院では嚥下障害患者に対して, リハ医・セラピスト・リハ看護婦・栄養士が協力し, 適切な評価の上で嚥下リハを行っている. しかし, 様々なアプローチを行っても, 嚥下障害が改善せず, 発声でのコミュニケーションも困難な症例に, 本人・家族の承諾の元, 誤嚥を防止する外科的治療(主に喉頭気管分離・気管食道吻合術/以下, 分離術)を耳鼻科に依頼している. これまで, 分離術の耳鼻科的な報告は清水らの神経疾患一般に関する検討があるが, 嚥下障害を有する脳卒中患者の分離術後についての誤嚥性肺炎の経過やADLの改善についての検討はないため, 今回報告する. 対象;当院に入院し, 分離術を他院耳鼻科...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S247-S247
Hauptverfasser: 西佳子, 三宅直之, 柳原幸治, 新藤直子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的;当院では嚥下障害患者に対して, リハ医・セラピスト・リハ看護婦・栄養士が協力し, 適切な評価の上で嚥下リハを行っている. しかし, 様々なアプローチを行っても, 嚥下障害が改善せず, 発声でのコミュニケーションも困難な症例に, 本人・家族の承諾の元, 誤嚥を防止する外科的治療(主に喉頭気管分離・気管食道吻合術/以下, 分離術)を耳鼻科に依頼している. これまで, 分離術の耳鼻科的な報告は清水らの神経疾患一般に関する検討があるが, 嚥下障害を有する脳卒中患者の分離術後についての誤嚥性肺炎の経過やADLの改善についての検討はないため, 今回報告する. 対象;当院に入院し, 分離術を他院耳鼻科に依頼施行して, 当院で術後の嚥下リハと, 在宅希望の家族には食形態の調整を含めた栄養指導・痰の吸引方法を指導した6例. 方法;入院中及び外来カルテより情報を得るとともに, 本人, 家族より直接電話にてアンケート形式で情報収集した. 具体的な確認項目としては, 誤嚥性肺炎の有無, 具体的な吸引頻度の変化, 食形態の変化, 体重の増減, 食事を中心としたADLの変化などである. 結果;誤嚥性肺炎・吸引回数は減少した. 経口摂取に関しては, 全量経口摂取可能になった症例もあったが, 四肢失調や耐久性低下のために, 食形態を限定し実用性に欠けたものもあった. 結論;脳卒中患者に対する分離術は, 呼吸器感染症・吸引回数を減少させ, 経口摂取の可能性もあるため, 在宅での管理や介助の軽減となり患者のADL改善となる.
ISSN:0034-351X