Critical Illness Polyneuropathyと考えられた10例の検討

(目的)当院ICUで発症した四肢不全麻痺の10例を検討し, Critical Illness Polyneuropathy(CIP)の診断を試みた. また, 予後について調査した. (方法)1998年~2000年に当院ICUにて入室時には認めなかった四肢不全麻痺が治療中に生じ, 深部腱反射が低下または消失した10例についてretrospectiveに検討した. そしてこれまで報告されているCIPの症例との比較を行なった. (結果)10例は男性6人, 女性4人, 平均年齢58歳(17-76歳)であった. ICU在室期間は平均41日(21-73日)と長期にわたり, 全例で人工呼吸管理が行なわれ鎮静...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S203-S203
Hauptverfasser: 西眞歩, 寺岡史人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)当院ICUで発症した四肢不全麻痺の10例を検討し, Critical Illness Polyneuropathy(CIP)の診断を試みた. また, 予後について調査した. (方法)1998年~2000年に当院ICUにて入室時には認めなかった四肢不全麻痺が治療中に生じ, 深部腱反射が低下または消失した10例についてretrospectiveに検討した. そしてこれまで報告されているCIPの症例との比較を行なった. (結果)10例は男性6人, 女性4人, 平均年齢58歳(17-76歳)であった. ICU在室期間は平均41日(21-73日)と長期にわたり, 全例で人工呼吸管理が行なわれ鎮静剤が持続投与されていた. 鎮静剤が中止され覚醒したところで不全四肢麻痺が発見されていた. 原疾患は血液疾患4人, 肺炎2人, 間質性肺炎, 気管支喘息, 大腸癌, 潰瘍性大腸炎が各1人であり, 9例で明らかに感染症を認め, 8例が呼吸器感染であった. Systemic inflammatory response syndrome(SIRS)の基準に9例が該当した. 筋弛緩剤は3例で短期間投与されており, ステロイド剤は8例で投与されていた. CK値は9例で上昇を認めず, 腎障害は4例でみられたがいずれも急性に発症し可逆的であった. 4例で神経伝導検査が施行され, 複合筋活動電位の減少が主たる所見であった. 5例は歩行自立まで回復したが, 他の5例は死亡した. (結論)各症例とも診察所見, 経過より多発末梢神経障害と考えられ, SIRSを伴うことからCIPの可能性が示唆された. 今後は電気診断を積極的に行ない, 他の病態の除外を行う必要がある.
ISSN:0034-351X