肺気腫患者におけるLVRSの術後12ヶ月までの効果について

「目的」Lung Volume Reduction Surgery(LVRS)が肺気腫患者の運動機能, ADLおよびQOLに与える影響を検討する. 「方法」1996年10月から1999年5月までに, 当院の内部障害リハビリテーション(リハ)科での呼吸リハおよび第二外科での胸腔鏡下LVRSを施行した肺気腫患者18例に呼吸リハ開始時と術後3・6・12ヵ月に運動機能, ADLおよびSickness Impact Prome(SIP)によるQOL評価を行い, 術前後での変化を比較検討した. さらに, 同様に呼吸リハを受け, LVRSを施行しなかった呼吸リハ単独群12例における退院後3・6・12ヵ月のA...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S172-S172
Hauptverfasser: 上月正博, 渡辺美穂子, 森信芳, 吉田一徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」Lung Volume Reduction Surgery(LVRS)が肺気腫患者の運動機能, ADLおよびQOLに与える影響を検討する. 「方法」1996年10月から1999年5月までに, 当院の内部障害リハビリテーション(リハ)科での呼吸リハおよび第二外科での胸腔鏡下LVRSを施行した肺気腫患者18例に呼吸リハ開始時と術後3・6・12ヵ月に運動機能, ADLおよびSickness Impact Prome(SIP)によるQOL評価を行い, 術前後での変化を比較検討した. さらに, 同様に呼吸リハを受け, LVRSを施行しなかった呼吸リハ単独群12例における退院後3・6・12ヵ月のADLおよびQOLと比較した. 「結果」栄養状態, 肺機能, 運動機能, ADLにおいて, LVRS後3ヶ月の時点では有意な改善がみられ, 12ヶ月でさらに改善が認められた. QOL評価においての術後の改善は3ヶ月から有意に改善していた. 一方, 呼吸リハ単独群の退院後12ヵ月の結果では, 入院時よりADLは一部悪化傾向をきたし, QOLの改善も認められなかった. 「結論」LVRSはすべての肺気腫患者に適応があるわけではないが, LVRSの適応を満たして手術を施行した患者では呼吸機能, 運動機能が術後12ヵ月にわたり改善し, ADLやQOLも明らかに改善した. 一方, LVRSを施行しない症例に対しては, 急速な機能低下の防止策の検討と積極的な包括的呼吸リハの必要性が望まれる.
ISSN:0034-351X