大腿骨頸部骨折のクリニカルパス

「目的」大腿骨頸部骨折の患者数は年次増加しており, それに伴う入院医療費の増大, 核家族化に伴う介助者の不足は大きな社会問題となっている. そこで, 大腿骨頸部骨折の手術的治療は短い入院期間でいかに受傷前の歩行能力まで回復させるかが目標となる. 「方法」今回, 我々は手術を施行した大腿骨頸部骨折329例(内側144, 外側185)の年齢, 性別, 骨折型, 受傷前, 退院時の歩行能力, 受傷から手術までの日数, 入院期間, 術前リハの有無, その内容, 術後リハ開始までの日数, 部分体重開始時期, 術後リハ期間, 手術方法, 再手術の有無, X線学的合併症の有無, 受傷時の痴呆, 全身的合併症...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S107-S107
Hauptverfasser: 中澤明尋, 竹内良平, 腰野富久, 鈴木一太, 三ツ木直人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」大腿骨頸部骨折の患者数は年次増加しており, それに伴う入院医療費の増大, 核家族化に伴う介助者の不足は大きな社会問題となっている. そこで, 大腿骨頸部骨折の手術的治療は短い入院期間でいかに受傷前の歩行能力まで回復させるかが目標となる. 「方法」今回, 我々は手術を施行した大腿骨頸部骨折329例(内側144, 外側185)の年齢, 性別, 骨折型, 受傷前, 退院時の歩行能力, 受傷から手術までの日数, 入院期間, 術前リハの有無, その内容, 術後リハ開始までの日数, 部分体重開始時期, 術後リハ期間, 手術方法, 再手術の有無, X線学的合併症の有無, 受傷時の痴呆, 全身的合併症の有無, 受傷前の住所(自宅, 老人病院, ホームなど)を調査し, 入院期間と退院時の歩行能力に影響を与える因子を考慮し, クリニカルパスの作製を試みた. 「結果」重回帰分析による解析の結果, 年齢, 骨折型, 受傷前の歩行能力, 術前のリハの内容, 荷重開始時期, 再手術の有無, 受傷時の痴呆の有無が入院期間と退院時の歩行能力に影響した. 高年齢, 受傷前の歩行能力不良, 痴呆ありの症例では回復は悪く, 入院の時点でゴールを設定し, 自宅の改造や施設への入居の手配などを早期に開始する必要を認めた. 再手術の予防には, 骨折型により厳密に手術適応, 方法を決定し, 正確な手術手技が必要である. リハは入院直後から開始し, 術後の後療法について患者の意欲と理解を高めるよう指導する. 術後は可及的早期に荷重を開始する. 以上の点がクリニカルパスを作製する上で重要であった.
ISSN:0034-351X