札幌パーク病院失語症検査の構造と機能

「目的と方法」失語検査は, 入力情報X―(失語)―出力情報Yよりなるが, 入力Xと出力Yが異なることがある(誤反応). 情報理論ではこの誤りの原因を通信路(失語)の内部で発生する雑音という. 我々は, 失語を雑音を発生する通信路と見なすことにより, 失語検査の成績を, 入力を行, 出力を列とする行列として表示した. これは情報理論における, 雑音のある通進路行列を参考にしたものである. この行列表示により, 失語の言語情報処理能力の障害の様相がより明確となり, 病型診断にも役立つのではないかと考えた. さらにこの視点から従来の失語検査の機能の検討を行った. 「結果」失語の各検査成績を, 前演題...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (10), p.858-858
Hauptverfasser: 梶野宗幹, 梶野永津子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的と方法」失語検査は, 入力情報X―(失語)―出力情報Yよりなるが, 入力Xと出力Yが異なることがある(誤反応). 情報理論ではこの誤りの原因を通信路(失語)の内部で発生する雑音という. 我々は, 失語を雑音を発生する通信路と見なすことにより, 失語検査の成績を, 入力を行, 出力を列とする行列として表示した. これは情報理論における, 雑音のある通進路行列を参考にしたものである. この行列表示により, 失語の言語情報処理能力の障害の様相がより明確となり, 病型診断にも役立つのではないかと考えた. さらにこの視点から従来の失語検査の機能の検討を行った. 「結果」失語の各検査成績を, 前演題で述べた〈%表示〉に変換し行列表示した. この数値は, 検査項目の難易による差が消去されているため, 行の成績を比較することにより, 失語の聴覚的情報処理能力と視覚的処理能力の優劣が分かる. 同様に, 各列の成績を比較することにより, 認知能力, 発語, 書字能力の非失語に対する障害の程度がより明確となった.
ISSN:0034-351X