脳卒中患者の障害の受容

「目的」最近, 障害の受容過程について疑問視されてきている. しかし, 実際にどうであるのか, 調査した報告は少ない. 「対象・方法」対象は脳卒中で当院に通院している患者50例, 男性31例, 女性19例である. 年齢は61.6±9.0歳, 発症後8.0±4.7年である. 病名は脳梗塞25例, 脳出血23例, その他2例である. これらの対象に上田氏の障害の受容過程に基づいてアンケートを作成し, 面接による調査を行った. 「結果」「ショック期」一時的に「ホッ」とした5例, 義務や雑事から解放8例. 「否認期」急な回復の期待19例, 奇跡の希望19例. 回復の過大評価21例, 迷信にすがった1例...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 岡本五十雄, 菅沼宏之, 鎌倉嘉一郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」最近, 障害の受容過程について疑問視されてきている. しかし, 実際にどうであるのか, 調査した報告は少ない. 「対象・方法」対象は脳卒中で当院に通院している患者50例, 男性31例, 女性19例である. 年齢は61.6±9.0歳, 発症後8.0±4.7年である. 病名は脳梗塞25例, 脳出血23例, その他2例である. これらの対象に上田氏の障害の受容過程に基づいてアンケートを作成し, 面接による調査を行った. 「結果」「ショック期」一時的に「ホッ」とした5例, 義務や雑事から解放8例. 「否認期」急な回復の期待19例, 奇跡の希望19例. 回復の過大評価21例, 迷信にすがった1例, 健常者に羨望28例, 健常者を見て立復11例. 「混乱期」良くならないのは治療の失敗2例, 自分が悪いから発症8例, 治るのであればどんなことでもする34例, 気落ちした38例, 人生がつまらない21例, 生きる希望がない18例, 希死念慮21例, 自殺念慮9例, 気持の吐露9例, 攻撃的になった7例. 「努力期」自分で努力が必要47例, 健常者に劣等感8例. 「受容期」誰とも区別なく対等に交流48例, 今の人生には満足31例. 「考察」障害の受容過程はあると思われた. しかし, 受け止め方は教科書的ではない. とくに, ショック期, 混乱期における受けとめ方は一様ではない.
ISSN:0034-351X