嚥下障害の評価後,看取りに移行した症例の検討
当院では, 最近20ヵ月で176例にVFを含む嚥下機能評価を実施した. 経口摂取が可能と判断した後にも, 体位の不徹底, 合併症による全身状態の変化, 鎮静剤等の影響で肺炎を反復し, 最終的に看取りとなった例が5名あった. 背景には, 経口摂取不能の場合, 経管栄養を希望しない家族が増えており, 経口摂取不可能という判断は看取りと同義となるため, 少ないチャンスでも経口摂取を続けざるを得ないという事情がある. ADLの低下した高齢者の生命維持を際限なく図ることは, 本人のQOL維持に結びつくかどうか疑問でもあり, 家族の介護負担も大きいため, 経管栄養の導入は安易にできない. 逆に恒常的に誤嚥...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当院では, 最近20ヵ月で176例にVFを含む嚥下機能評価を実施した. 経口摂取が可能と判断した後にも, 体位の不徹底, 合併症による全身状態の変化, 鎮静剤等の影響で肺炎を反復し, 最終的に看取りとなった例が5名あった. 背景には, 経口摂取不能の場合, 経管栄養を希望しない家族が増えており, 経口摂取不可能という判断は看取りと同義となるため, 少ないチャンスでも経口摂取を続けざるを得ないという事情がある. ADLの低下した高齢者の生命維持を際限なく図ることは, 本人のQOL維持に結びつくかどうか疑問でもあり, 家族の介護負担も大きいため, 経管栄養の導入は安易にできない. 逆に恒常的に誤嚥していても重症肺炎に至らず, 在宅生活に復帰する例もみられる. あらゆる工夫をしても誤嚥を繰り返す高齢者に対して, 老衰と判断して治療制限をするのかどうか, 嚥下評価を任されたリハビリテーション医として大きな悩みとなっている. |
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ISSN: | 0034-351X |