Locked-in症候群に対するコミュニケーションエイドと環境制御装置の導入

56歳の男性が, 脳幹出血の診断を受け, リハビリテーション目的で当院に入院した. 意識は清明で, 閉眼による“yes”サインが可能であった. 運動機能は, 完全四肢麻痺でLocked-in症候群を呈していた. コミュニケーション訓練を開始し, コンピュータを用いたコミュニケーションエイドと環境制御装置を導入し, 患者QOLの向上, 介護者の負担軽減に資することができた. Locked-in症候群(以下LIS)は, 1966年PlumとPosnerにより紹介された'}. それには, 四肢麻痺 下位の脳神経麻痺 無言症を伴うが, 瞬目や垂直方向の眼球運動は保たれていたと述べられている....

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (5), p.382-386
Hauptverfasser: 日野創, 西尾真一, 山口明, 金子裕, 北原エリ子, 米本絹子, 黒岩貞枝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:56歳の男性が, 脳幹出血の診断を受け, リハビリテーション目的で当院に入院した. 意識は清明で, 閉眼による“yes”サインが可能であった. 運動機能は, 完全四肢麻痺でLocked-in症候群を呈していた. コミュニケーション訓練を開始し, コンピュータを用いたコミュニケーションエイドと環境制御装置を導入し, 患者QOLの向上, 介護者の負担軽減に資することができた. Locked-in症候群(以下LIS)は, 1966年PlumとPosnerにより紹介された'}. それには, 四肢麻痺 下位の脳神経麻痺 無言症を伴うが, 瞬目や垂直方向の眼球運動は保たれていたと述べられている. 以来, 一般的に一臨床概念として受け入れられてきた. Haigは, 発症から1年以上経過した27名のLIS患者のうち最高12. 5年間生存し, 平均生存年数は4. 9年, そのうち17名が調査時自宅で生活し, 10名がコミュニケーションを容易にするために電子機器を使用中と報告している2).
ISSN:0034-351X