分子生物学的手法のリハビリテーション医学への応用

分子生物的手法は, 生体の活動を, 遺伝子・タンパク質のレベルで捉え, 解析をするものである. この考え方や手法をリハビリテーション医学に応用することで, これまで経験的に行われてきた機能障害に対する治療手技や生体反応をより根源的に検証を加えることができる. 我々は, この分子生物学的手法を用いて, 動物モデルで骨格筋の反復ストレッチ刺激に対する反応と, 脊髄切断による中枢神経損傷時の大脳運動皮質の反応性を検討した. 骨格筋の反復ストレッチにより2~4時間でc-fosおよびmyogenin mRNAの発現増加を認め, 筋肥大を促すことが示唆された. また, 脊髄切断により1時間後に大脳運動皮質...

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Hauptverfasser: 池田聡, 吉田輝, 又吉達, 田中信行
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:分子生物的手法は, 生体の活動を, 遺伝子・タンパク質のレベルで捉え, 解析をするものである. この考え方や手法をリハビリテーション医学に応用することで, これまで経験的に行われてきた機能障害に対する治療手技や生体反応をより根源的に検証を加えることができる. 我々は, この分子生物学的手法を用いて, 動物モデルで骨格筋の反復ストレッチ刺激に対する反応と, 脊髄切断による中枢神経損傷時の大脳運動皮質の反応性を検討した. 骨格筋の反復ストレッチにより2~4時間でc-fosおよびmyogenin mRNAの発現増加を認め, 筋肥大を促すことが示唆された. また, 脊髄切断により1時間後に大脳運動皮質のc-fosの発現増加を認め, 運動皮質の遺伝子転写レベルにも直ちに変化が生じていることが示唆された. このように, 分子生物学的手法はリハ効果の科学的・証明・評価検討に有用であると考えられ, 今後のリハの各分野での応用が期待される.
ISSN:0034-351X