閉経後女性の転倒と骨粗鬆症
「目的」高齢者が骨折すると一部は寝たきりの原因となり, 介護保険に絡み社会的な問題になっている. そこで閉経後女性の転倒と骨粗鬆症について, 年齢, 生活習慣, バランス機能, 下肢筋力などとの関連を検討した. 「対象・方法」地域に在住する閉経後女性55名(平均年齢63.7歳)を対象とした. 年齢, 閉経後年数, 身長, 体重, 転倒および骨折既往, 歩行量, 運動量などについての問診表を記載してもらった. 動的バランス機能を評価できる三次元的床面動揺装置(Equi Test)を用い, 運動制御テストを行った. 両下肢の伸展筋力, 最大握力, 腰椎の骨密度を測定した. 「結果」過去1年間に転倒...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2000, Vol.37 (12), p.1102-1103 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」高齢者が骨折すると一部は寝たきりの原因となり, 介護保険に絡み社会的な問題になっている. そこで閉経後女性の転倒と骨粗鬆症について, 年齢, 生活習慣, バランス機能, 下肢筋力などとの関連を検討した. 「対象・方法」地域に在住する閉経後女性55名(平均年齢63.7歳)を対象とした. 年齢, 閉経後年数, 身長, 体重, 転倒および骨折既往, 歩行量, 運動量などについての問診表を記載してもらった. 動的バランス機能を評価できる三次元的床面動揺装置(Equi Test)を用い, 運動制御テストを行った. 両下肢の伸展筋力, 最大握力, 腰椎の骨密度を測定した. 「結果」過去1年間に転倒または過去5年以内に転倒骨折を経験した被検者は15名で, これらを転倒群とし, その他を非転倒群とした. 転倒群は非転倒群に比べ閉経後年数が長く, つま先上がりの適応性が悪く, 有意差が認められた. 年齢が高く, 下肢筋力の体重比が小さい被検者が転倒しやすい傾向がみられた. 生活習慣である1日の歩行時間, 運動量は両群で差はなく, 骨粗鬆症と転倒の間に関係はみられなかった. 「考察」転倒群と非転倒群との間に閉経後年数で有意差が認められ, 高齢者ほど転倒しやすい傾向があった. 転倒群では下肢筋力の体重比が小さく, つま先上がりの適応性が低下していた. これは転倒群でバランス機能が悪く, 姿勢を立て直す筋力が弱く, 後方への転倒が起こりやすいことを示唆している. 今回の研究結果から, 下肢筋力や動的バランス機能の検査が転倒する予測する検査として有用であることが示された. |
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ISSN: | 0034-351X |