大腿骨頸部内側骨折術後の歩行能力に関与する因子ついて
「目的」大腿骨頸部骨折は, 高齢者の増加に伴い手術する機会の多い骨折ではあるが, 術後のADL能力の獲得については, 到達目標が曖昧のままリハビリテーションが行われていることが多い. 大腿骨頸部骨折の予後規定因子についての報告は多いが, 骨折型, 手術術式を一致させていない報告が多く, 問題があると考えていた. 今回人工骨頭置換術を行った大腿骨頸部内側骨折に限って検討し報告する. 「対象および方法」1996~1998年に人工骨頭置換術を行い, 1年以上経過した大腿骨頚部内側骨折51例を対象とした. 退院後の歩行能力(独歩, 屋外介助歩行, 屋内歩行可, 屋内介助歩行, 車椅子, 歩行不能)に影...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2000, Vol.37 (12), p.1098-1098 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」大腿骨頸部骨折は, 高齢者の増加に伴い手術する機会の多い骨折ではあるが, 術後のADL能力の獲得については, 到達目標が曖昧のままリハビリテーションが行われていることが多い. 大腿骨頸部骨折の予後規定因子についての報告は多いが, 骨折型, 手術術式を一致させていない報告が多く, 問題があると考えていた. 今回人工骨頭置換術を行った大腿骨頸部内側骨折に限って検討し報告する. 「対象および方法」1996~1998年に人工骨頭置換術を行い, 1年以上経過した大腿骨頚部内側骨折51例を対象とした. 退院後の歩行能力(独歩, 屋外介助歩行, 屋内歩行可, 屋内介助歩行, 車椅子, 歩行不能)に影響を与える因子を, 年齢, 性別, Body Mass Index, 受傷前の歩行能力(5段階に分類), 受傷前の生活環境(独居, 家族と同居, 施設入所), 痴呆, 受傷から手術までの期間, 手術から部分荷重歩行までの期間, 麻酔方法, ASA分類, 退院後の歩行能力(5段階に分類), 退院後の生活環境(自宅, 老人病院, 総合病院, 個人病院)について検討した. 「結果」退院後の歩行能力の予後予測に有用と考えられた因子(p=0.05)は, 受傷前の歩行能力, 退院後の歩行能力, 退院後の生活環境であった. これらの項目について重回帰分析を行い, Y(退院後の歩行能力)=0.599x_1 (受傷前の歩行能力)+0.444x_2 (退院後の生活環境)-0.603の回帰式が得られた. 今後リハビリテーションに費やされた期間について再評価を行うことで, ある程度入院時に予後予測をたてうると考えている. |
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ISSN: | 0034-351X |