摂食・嚥下障害の嚥下ステージ別リハビリテーションプログラムの検討

「目的」摂食・嚥下障害を嚥下造影検査の所見に基づいて評価し, 嚥下のステージごとの問題に対するリハビリテーションプログラムについて検討した. 「対象および方法」当科にて1999年7~11月に嚥下造影検査を行った慢性期脳卒中患者15例を対象とした. 15例はすべて男性で年齢は73.2±11.2歳. 病名は脳梗塞10例, 脳出血5例. 摂食・嚥下運動を5つのステージに分けて評価し, いずれに問題があるかによってリハプログラムを作り実践した. その際, 必要に応じて補液・OE法などの栄養管理も組み入れた. プログラムは障害のあるステージに合わせて食事介助, 食物の形態の工夫, リクライニング位, 咽...

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Hauptverfasser: 室井亜貴子, 菅沼宏之, 鎌倉嘉一郎, 岡本五十雄
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」摂食・嚥下障害を嚥下造影検査の所見に基づいて評価し, 嚥下のステージごとの問題に対するリハビリテーションプログラムについて検討した. 「対象および方法」当科にて1999年7~11月に嚥下造影検査を行った慢性期脳卒中患者15例を対象とした. 15例はすべて男性で年齢は73.2±11.2歳. 病名は脳梗塞10例, 脳出血5例. 摂食・嚥下運動を5つのステージに分けて評価し, いずれに問題があるかによってリハプログラムを作り実践した. その際, 必要に応じて補液・OE法などの栄養管理も組み入れた. プログラムは障害のあるステージに合わせて食事介助, 食物の形態の工夫, リクライニング位, 咽頭アイスマッサージ, うなずき嚥下, 横向き嚥下, 空嚥下, 食後30分の座位保持などを組み合わせて作成した. 臨床的に胃食道逆流による肺炎が疑われる患者では, 夜間15度のギャッジアップを行った. 「結果」プログラム実施後, 誤嚥が減少・食事時間が短縮・肺炎が減少など好ましい結果が得られたのは8例(53%)であった. 経口摂取を断念せざるを得なかった例を含め, 誤嚥が改善されなかったのは7例(47%)であった. 「考察」良い結果が得られた患者の中には, リクライニング位による食事時間の短縮効果が著明であった例が含まれていた. また, 栄養状態を改善することで嚥下能力も改善することが示唆された. 良い結果が得られなかった患者は胃食道逆流のコントロールが困難であった例であり, 今後さらにプログラムを検討していく必要があると思われた.
ISSN:0034-351X