脳血管疾患の心拍変動

「目的」脳血管疾患患者は心血管系の合併症が多く, リハビリテーション科医にとって, 急性期の心血管機能の不安定な時期から患者のリスク管理を行うことは容易でない. そこで自律神経機能を介して患者の心血管機能の予後を予測でき, また臨床場面において非侵襲的で簡便な方法である心拍変動(以下HRV)を用いて脳血管疾患を評価検討した. 「方法」当院急性期病棟入院患者51人(脳幹/MCA領域/視床/被殻皮質下)とコントロール群として同年齢の高血圧患者11人に対して, ホルター心電図計を一日装着し測定した. 解析は時間領域と周波数領域について行った. 「結果」時間領域ではHRVの指標と障害部位とが相関した....

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Hauptverfasser: 西郊靖子, 横山修, 加藤弥生, 伊藤良介, 安藤徳彦, 久慈直光, 栃久保修
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」脳血管疾患患者は心血管系の合併症が多く, リハビリテーション科医にとって, 急性期の心血管機能の不安定な時期から患者のリスク管理を行うことは容易でない. そこで自律神経機能を介して患者の心血管機能の予後を予測でき, また臨床場面において非侵襲的で簡便な方法である心拍変動(以下HRV)を用いて脳血管疾患を評価検討した. 「方法」当院急性期病棟入院患者51人(脳幹/MCA領域/視床/被殻皮質下)とコントロール群として同年齢の高血圧患者11人に対して, ホルター心電図計を一日装着し測定した. 解析は時間領域と周波数領域について行った. 「結果」時間領域ではHRVの指標と障害部位とが相関した. 患者群では脳幹と視床の障害部位のHRVの指標が低下していた. 周波数領域でも同様の結果であった. 周波数の昼夜較差も低下していた. 障害重症度とHRVの指標は相関しなかった. 「考察」脳血管疾患は, 交感神経機能と心臓迷走神経活動の双方が低下していると思われる. 特に自律神経系の中枢である脳幹部と視床部に病変を持つ患者は, 予想どおり低下していた. これは自律神経の中枢が脳幹と脊髄にあり, 自律神経核は大脳皮質と視床の上位中枢に支配を受けているためと思われる.
ISSN:0034-351X