脳卒中患者における閉塞性動脈硬化症の検討

本邦では食生活の欧米化などに伴い動脈硬化病変が増加しており, 脳梗塞と閉塞性動脈硬化症の合併例を経験することも多い. 今回, 脳卒中患者における下肢の動脈硬化の存在を調査し検討を行った. 「対象」当科へ入院した脳梗塞患者50例(平均年齢64.2歳, 男性32例, 女性18例), 脳出血患者40例(平均年齢61.3歳, 男性61例, 女性24例). 「方法」超音波エコーで大腿動脈を観察し, 粥腫(plaque)形成・血管狭窄などの動脈硬化性変化から(-)群:所見なし, (±)群:plaque形成が疑わしい, (+)群:明らかにplaqueを認めるが程度が軽い, (++)群:plaque多発・狭窄...

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Hauptverfasser: 依田光正, 真野英寿, 森義明
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:本邦では食生活の欧米化などに伴い動脈硬化病変が増加しており, 脳梗塞と閉塞性動脈硬化症の合併例を経験することも多い. 今回, 脳卒中患者における下肢の動脈硬化の存在を調査し検討を行った. 「対象」当科へ入院した脳梗塞患者50例(平均年齢64.2歳, 男性32例, 女性18例), 脳出血患者40例(平均年齢61.3歳, 男性61例, 女性24例). 「方法」超音波エコーで大腿動脈を観察し, 粥腫(plaque)形成・血管狭窄などの動脈硬化性変化から(-)群:所見なし, (±)群:plaque形成が疑わしい, (+)群:明らかにplaqueを認めるが程度が軽い, (++)群:plaque多発・狭窄率高度の4群に分け, 臨床病型分類(アテローム硬化性・心原性塞栓・ラクナ)・Ankle Pressure Index(API)値・リスクファクター(高血圧・糖尿病・高脂血症)と検討した. 「結果」脳出血群は(-)21例, (±)6例, (+)11例, (++)2例で32.5%に動脈硬化所見を認め, 脳梗塞群は(-)11例, (±)5例, (+)17例, (++)17例で68.0%で認めた. API低値(1.0未満)例は脳出血群では3例, 脳梗塞群では14例. 脳梗塞群ではリスクファクターを有する例に所見が多かった. 「考察」大腿動脈の動脈硬化性変化は脳出血群より脳梗塞群で有意に多く, 脳梗塞患者を扱う上でASOの存在に十分留意する必要があると思われた. 大腿動脈に動脈硬化性変化を認めながらAPI低下を認めない例も多く, 早期発見には超音波エコー検査は有用と思われた.
ISSN:0034-351X