脳卒中による視床障害の評価法について
1979年4月~1999年12月に北秋病院で経験した脳卒中による視床障害患者106名で出血79名, 梗塞27名である. 長期追跡している視床痛の症例は6名で, 2症例は自らの命を絶った. その経験からできるだけ患者と接触し, 経過を的確に捉え, 適切な治療や生活指導を行う重要性を感じた. 患者はしびれ(ビリビリ, 針で刺された感じ), 痛み(しびれが痛みに変化してきた), 自律神経障害(風がしみる, 冷感がある), 睡眠障害(夜眠られない), 心理的反応(気が短かくなった, おかしくなった), 治療効果(薬やリハビリテーションで何とかごまかしている), 知覚障害(歩行時感覚がなく, 体重がかか...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 1979年4月~1999年12月に北秋病院で経験した脳卒中による視床障害患者106名で出血79名, 梗塞27名である. 長期追跡している視床痛の症例は6名で, 2症例は自らの命を絶った. その経験からできるだけ患者と接触し, 経過を的確に捉え, 適切な治療や生活指導を行う重要性を感じた. 患者はしびれ(ビリビリ, 針で刺された感じ), 痛み(しびれが痛みに変化してきた), 自律神経障害(風がしみる, 冷感がある), 睡眠障害(夜眠られない), 心理的反応(気が短かくなった, おかしくなった), 治療効果(薬やリハビリテーションで何とかごまかしている), 知覚障害(歩行時感覚がなく, 体重がかかるとドーンと行く), 不随意運動(目的のところに手が行かない), 視床手(指がおかしく動く)などを訴えていた. 経時的変化度を知る目的で, 評価項目を自覚的症状6項目(しびれ, 痛み, 自律神経障害, 心理的反応, 知覚障害, 治療効果), 他覚的所見2項目(不随意運動, 視床手), 計8項目を設定し, 比例尺度としての5段階評価(耐えられない痛み, 非常に痛い, かなり痛い, 少し痛い, 痛みがない)に基づいて点数化した. 本評価法の検者間信頼性はχ係数0.51で高かった. 因子分析は症例数が少なく, 今後の課題として挙げられる. 季節ごとの経時的変化は一定の傾向を示さなかった. VASと自覚的症状点数との相関はしびれは0.15, 痛みは0.37と低かった. 各科で処方されている薬物内容, 視床痛のメカニズムなどについても述べた. 今後症例を増やし, 評価法の改善を図りたい. |
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ISSN: | 0034-351X |