トレッドミル歩行分析

歩行分析はリハビリテーション医学においてもっとも重要な評価にもかかわらず, 臨床の場において計測装置を用いた客観的分析法は汎用されていない. その最大の原因は測定の煩雑さにある. トレッドミル歩行分析は, 省時間, 省スペース, 定常的速度設定可能, 多数歩測定可能, 同時多種指標計測可能など, 臨床上多々の利点があり, この問題の有力な解決手段と思われる. 我々は, 床反力計つきトレッドミル歩行分析の臨床応用の可能性を探るため, 片麻痺例の分析法について予備的に検討を加えた. 「方法」Tecmachine社製ADAL3Dを用いた. 運動力学的因子として床反力3分力を評価した. 対象として,...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2000, Vol.37 (11), p.891-892
Hauptverfasser: 才藤栄一, 武田斉子, 大塚圭, 寺西利生, 都築晃, 金田嘉清, 鈴木由佳理, 渡辺美香, 小林裕美, 櫻井宏明, 岡田誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歩行分析はリハビリテーション医学においてもっとも重要な評価にもかかわらず, 臨床の場において計測装置を用いた客観的分析法は汎用されていない. その最大の原因は測定の煩雑さにある. トレッドミル歩行分析は, 省時間, 省スペース, 定常的速度設定可能, 多数歩測定可能, 同時多種指標計測可能など, 臨床上多々の利点があり, この問題の有力な解決手段と思われる. 我々は, 床反力計つきトレッドミル歩行分析の臨床応用の可能性を探るため, 片麻痺例の分析法について予備的に検討を加えた. 「方法」Tecmachine社製ADAL3Dを用いた. 運動力学的因子として床反力3分力を評価した. 対象として, 歩行障害のある片麻痺例, 短下肢装具使用例, 訓練経過例を観察した. 「結果」床反力計つきトレッドミル歩行分析の片麻痺例への応用として有用と思われた点を列挙する. 1)床反力の各波形のばらつき, 前後成分, 左右成分の非対称性が明らかにできた. また, 手すり使用によって歩行速度が0.5km/hという低速でも安定した分析が可能で, 比較的重度の歩行障害患者でも評価できた. 2)装具の適応評価:片麻痺者の短下肢装具の効果として, 運動のばらつきを減じ, 麻痺側への体重移動を容易にすることが明らかにできた. 3)経時的観察により, そのばらつきの減少や麻痺側への体重移動増加など回復過程を明示できた. 床反力計つきトレッドミル歩行分析は, 片麻痺歩行の極めて有用な臨床評価法と思われた.
ISSN:0034-351X