老人病院入院患者における2年間の転倒発生状況と関連要因
「目的」本研究の目的は, 老人病院入院患者において2年間追跡可能者を対象とし, 転倒発生状況と関連要因を明らかにすることにある. 「対象と方法」某老人病院入院中の312名のうち, 2年間追跡可能であった89名, 調査開始時の平均年齢79歳を対象に転倒調査を実施した. 内容は2年間に転倒を経験した人の割合, 転倒場所, 発生状況, 時間帯などを調べた. 転倒との関連が予想される, 年齢, 性別, QOL,ADL,SDS, 痴呆の有無, 歩行レベル, 立位レベル, 握力, 膝伸筋力の10因子を独立変量, 2年間の転倒の有無を従属変量としてロジスティック解析を行った. 「結果」2年間追跡可能者におけ...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 「目的」本研究の目的は, 老人病院入院患者において2年間追跡可能者を対象とし, 転倒発生状況と関連要因を明らかにすることにある. 「対象と方法」某老人病院入院中の312名のうち, 2年間追跡可能であった89名, 調査開始時の平均年齢79歳を対象に転倒調査を実施した. 内容は2年間に転倒を経験した人の割合, 転倒場所, 発生状況, 時間帯などを調べた. 転倒との関連が予想される, 年齢, 性別, QOL,ADL,SDS, 痴呆の有無, 歩行レベル, 立位レベル, 握力, 膝伸筋力の10因子を独立変量, 2年間の転倒の有無を従属変量としてロジスティック解析を行った. 「結果」2年間追跡可能者における転倒者の割合は40%であった. 転倒場所はbed side74%, ホール・廊下18%であった. 発生状況は排泄時のトイレやポ一夕ブルトイレヘの移動の失敗が25%, 車椅子のブレーキのかけ忘れが22%であった. 転倒時間は12~18時までが46%であったが, 全時間帯で転倒は発生していた. 各要因と転倒の関連を検討した結果, QOL・ADLが低い者, 痴呆のある者は転倒しやすく, 自立歩行の可能な者は転倒しにくい傾向があった. また各要因相互の影響を考慮した場合, 痴呆の有無(オッズ比6.95)であった(p<0.01). 「結論」転倒関連要因を包括的に勘案すると, 痴呆患者は転倒のハイリスク群である可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0034-351X |