反復唾液嚥下テスト(the Repetitive Saliva Swallowing Test:RSST)とビデオレントゲン造影所見との比較

「目的」機能的嚥下障害スクリーニング法として, 反復唾液嚥下テスト(the Repetitive Saliva Swallowing Test:RSST)の妥当性をビデオレントゲン造影(videofluorography:VF)所見と比較して検討した. 「方法」RSSTとVFを同時に施行した131例(平均年齢62歳)を対象とした. RSSTは, 被検者の喉頭挙上を触診で確認し, 30秒間に反復可能な空嚥下の回数を測定した. VFは送り込み障害, 誤嚥量, 誤嚥頻度, 不顕性誤嚥の4所見について, それぞれ3~4段階で評価した. そして, RSSTとVF所見の関連を検討した. 「結果」RSSTは...

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Hauptverfasser: 小口和代, 才藤栄一, 馬場尊, 小野木啓子, 奥井美枝, 戸原玄, 田中ともみ
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」機能的嚥下障害スクリーニング法として, 反復唾液嚥下テスト(the Repetitive Saliva Swallowing Test:RSST)の妥当性をビデオレントゲン造影(videofluorography:VF)所見と比較して検討した. 「方法」RSSTとVFを同時に施行した131例(平均年齢62歳)を対象とした. RSSTは, 被検者の喉頭挙上を触診で確認し, 30秒間に反復可能な空嚥下の回数を測定した. VFは送り込み障害, 誤嚥量, 誤嚥頻度, 不顕性誤嚥の4所見について, それぞれ3~4段階で評価した. そして, RSSTとVF所見の関連を検討した. 「結果」RSSTはVF所見と高い相関を有し, 特に誤嚥量, 誤嚥頻度所見と相関が高かった. これらの誤嚥所見において, RSST3回以上が3回未満と有意差を認めた. 3回/30秒間をスクリーニングのカットオフ値とした場合の, RSSTの誤嚥の有無の判別に関する感度と特異度は, それぞれ0.98,0.66であった. 誤嚥についてRSSTで偽陽性であった27例中, 多発性脳梗塞が占める割合が9例(33%)と高かった. 一方, 誤嚥について偽陰性であった例は1例であり, 食道流入の不良な例であった. 「考察」RSSTは特異度は低いが感度が非常に高く, スクリーニング法として優れていると結論できた. 摂食・嚥下障害の診断・評価としては, まずRSSTでスクリーニングを行い, 3回/30秒間未満の場合はさらに詳細な病歴, 身体所見をとり, 必要と判断されればVFを行い, 治療方針を決定するのが適当である.
ISSN:0034-351X