びまん性脳損傷による知的能力と脳循環代謝の変化
「目的」びまん性脳損傷による慢性期頭部外傷患者の知的能力回復過程と脳循環代謝を検討した. 「症例および方法」症例は当院にてリハビリテーションを行ったびまん性軸索損傷による慢性期頭部外傷患者5例(平均年齢29.6歳, 受傷後経過期間平均5カ月)で, 失語がなく高次脳機能障害を伴い頭部MRIにて異常所見が見られなかったものである. 受傷時の意識障害の期間は平均16.6日で, 1例に急性硬膜下血腫除去術が施行されている. リハ開始時および6~11カ月(平均7.8カ月間)認知リハ施行後, 全例に^^15 O-gasを用いてsteady state法によるPositrone Emission Tomog...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 「目的」びまん性脳損傷による慢性期頭部外傷患者の知的能力回復過程と脳循環代謝を検討した. 「症例および方法」症例は当院にてリハビリテーションを行ったびまん性軸索損傷による慢性期頭部外傷患者5例(平均年齢29.6歳, 受傷後経過期間平均5カ月)で, 失語がなく高次脳機能障害を伴い頭部MRIにて異常所見が見られなかったものである. 受傷時の意識障害の期間は平均16.6日で, 1例に急性硬膜下血腫除去術が施行されている. リハ開始時および6~11カ月(平均7.8カ月間)認知リハ施行後, 全例に^^15 O-gasを用いてsteady state法によるPositrone Emission Tomography(以下PET)を施行した. 各症例とも局所脳血流量rCBFおよび脳酸素消費量rCMRO_2 を測定した. PETの関心領域は左右それぞれの中前頭回, 中側頭回, 頭頂葉, 後頭葉, 海馬, 小脳に認定した. 「結果」リハ開始時WAIS-R平均VIQ 81.0, 平均PIQ 74.8, 平均FIQ 71.0と全例で知的低下を来していた. リハ施行後WAIS-R平均VIQ 84.0, 平均PIQ 83.4, 平均FIQ 81.0と動作性IQで大きな改善を認めた. CBFはすべての関心領域で有意な変化は認められなかった. CMRO_2 は中前頭回, 後頭葉と海馬においては有意な増加を認めた. WAIS-Rの改善度とPETの変化との相関を検討した. 動作性IQの改善は頭頂葉の局所脳血流と前頭葉の酸素代謝の変化と正の相関関係を認めた. |
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ISSN: | 0034-351X |