胃瘻栄養から経口摂取が可能となった陳旧性脳出血症例の経験
「症例」66歳男性. 両側被殻出血による両片麻痺, 左側優位な顔面・舌咽・迷走・舌下神経麻痺と口腔顔面失行のため胃瘻にて栄養管理がなされていた. 2年経過した後, 家族が試みると経口から摂取するようになり, 摂食機能の評価を行った. 「結果」上記障害のため準備期における食塊の保持と口腔期における送り込みの障害, 咽頭期の遅延を認めた. 代償として頸部を過伸展することで咽頭へ食塊を落とし込み, さらに喉頭の挙上が起こって気管に流入することがない様子をVFで確認した. 嚥下後も喉頭蓋谷と梨状窩に食塊は貯留していたが, 頸部の伸展を伴う随意的嚥下を繰り返すことで消失した. 少量(数cc)であれば水様...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 「症例」66歳男性. 両側被殻出血による両片麻痺, 左側優位な顔面・舌咽・迷走・舌下神経麻痺と口腔顔面失行のため胃瘻にて栄養管理がなされていた. 2年経過した後, 家族が試みると経口から摂取するようになり, 摂食機能の評価を行った. 「結果」上記障害のため準備期における食塊の保持と口腔期における送り込みの障害, 咽頭期の遅延を認めた. 代償として頸部を過伸展することで咽頭へ食塊を落とし込み, さらに喉頭の挙上が起こって気管に流入することがない様子をVFで確認した. 嚥下後も喉頭蓋谷と梨状窩に食塊は貯留していたが, 頸部の伸展を伴う随意的嚥下を繰り返すことで消失した. 少量(数cc)であれば水様物の嚥下も可能であったが, 在宅においては危険も伴うため, 水分摂取には胃瘻を利用することとした. 「考察」比較的若年であったこと, 座位生活と胃瘻による栄養管理で体力の温存がなされていたことが効を奏し, 代償的嚥下運動が獲得されたものと思われた. |
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ISSN: | 0034-351X |