脳性麻痺に伴う変形性股関節症に対する筋解離術の検討

成人脳性麻痺患者に生じた変形性股関節症5症例6股に対し, 股関節周囲筋群の解離術を行った. 症例は緊張性アテトーゼ3例, 痙性両麻痺1例, 片麻痺1例で, 手術時平均年齢は44.6歳, 術後経過期間は平均16.5カ月であった. 痙性両麻痺の症例は両側の手術を行った. 筋解離術は松尾の方法に準じ, 術後4週間のギプス固定の後ROM訓練を開始した. 術後全例で股関節痛・ROMが改善したが, 緊張性アテトーゼの1例は術後1年で股関節の脱臼・変形が進行し術後3年で人工股関節手術に至った. 脳性麻痺に生じた亜脱臼性の変股症に対し股関節筋解離術は有効な方法である. 本手術により股関節周囲筋群の痙直や緊張を...

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Hauptverfasser: 小川鉄男, 蒲澤秀洋, 池田誠, 河合憲一, 野尻淳, 新谷和也, 小谷賢司
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:成人脳性麻痺患者に生じた変形性股関節症5症例6股に対し, 股関節周囲筋群の解離術を行った. 症例は緊張性アテトーゼ3例, 痙性両麻痺1例, 片麻痺1例で, 手術時平均年齢は44.6歳, 術後経過期間は平均16.5カ月であった. 痙性両麻痺の症例は両側の手術を行った. 筋解離術は松尾の方法に準じ, 術後4週間のギプス固定の後ROM訓練を開始した. 術後全例で股関節痛・ROMが改善したが, 緊張性アテトーゼの1例は術後1年で股関節の脱臼・変形が進行し術後3年で人工股関節手術に至った. 脳性麻痺に生じた亜脱臼性の変股症に対し股関節筋解離術は有効な方法である. 本手術により股関節周囲筋群の痙直や緊張を弱めバランスをとって経過観察をし, 必要ならば2次的に骨切りや人工関節手術を行うのが良いと思われた.
ISSN:0034-351X