職能訓練開始後に精神症状が増悪した頭部外傷後遺症の3例
大学卒業後に職能訓練を開始し精神症状が増悪した頭部外傷後遺症患者3例を報告した. 症例1:27歳, 男性. 知的低下, 記憶力・注意力障害を認め, 受傷後5年で職能訓練開始したが, 妄想や情動の不安定が増悪. 症例2:23歳, 女性. 記憶力・注意力障害を認めたが受傷後3年で大学を卒業し, 職能訓練開始. 妄想, 易刺激性, 情動不安定出現. 症例3:24歳, 女性. 記憶力障害を認め受傷後8年で職能訓練開始したが, 抑うつ傾向, 焦燥感が増強し自殺企図をきたした. Prigatanoによる頭部外傷に伴う人格障害の分類では, 第1は刺激性, 焦燥, 挿間性脱抑制. 第2は情緒不安定, 気分変動...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 大学卒業後に職能訓練を開始し精神症状が増悪した頭部外傷後遺症患者3例を報告した. 症例1:27歳, 男性. 知的低下, 記憶力・注意力障害を認め, 受傷後5年で職能訓練開始したが, 妄想や情動の不安定が増悪. 症例2:23歳, 女性. 記憶力・注意力障害を認めたが受傷後3年で大学を卒業し, 職能訓練開始. 妄想, 易刺激性, 情動不安定出現. 症例3:24歳, 女性. 記憶力障害を認め受傷後8年で職能訓練開始したが, 抑うつ傾向, 焦燥感が増強し自殺企図をきたした. Prigatanoによる頭部外傷に伴う人格障害の分類では, 第1は刺激性, 焦燥, 挿間性脱抑制. 第2は情緒不安定, 気分変動. 第3は自発性喪失, 関心の欠如. 第4はうつ状態, 不安, 破局反応. 第5は欠陥の非認識性, 拒否を挙げている. 我々の症例では学生生活では障害を否認したまま適応し, 職能訓練で障害への直面を強いられて強い不安, 抑うつや易刺激性が増強したものと考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |