5-FUによる末梢神経障害の1例
医療技術の進歩にともない, 悪性腫瘍の治療目標は生存率の改善からQOLの向上へとシフトしつつある. その流れの中で悪性腫瘍のリハビリテーションは, 消耗した患者のケアだけではなく, 個々の機能障害に応じてマネジメントを行うことが要求される1,2). 機能障害は腫瘍の直接的影響に加えて, 手術や放射線・化学療法などの治療によっても生じうる. リハビリテーションを行うためにはこれらを正確に診断する必要があり, 特に運動・感覚障害の診断に電気生理検査は極めて重要である. 症例 患者:42歳, 男性 主訴:下肢脱力感, 触覚の低下, 歩行困難 家族歴:特記すべきことはない. 既往歴:40歳時に噴門部胃...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2000, Vol.37 (1), p.39-42 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 医療技術の進歩にともない, 悪性腫瘍の治療目標は生存率の改善からQOLの向上へとシフトしつつある. その流れの中で悪性腫瘍のリハビリテーションは, 消耗した患者のケアだけではなく, 個々の機能障害に応じてマネジメントを行うことが要求される1,2). 機能障害は腫瘍の直接的影響に加えて, 手術や放射線・化学療法などの治療によっても生じうる. リハビリテーションを行うためにはこれらを正確に診断する必要があり, 特に運動・感覚障害の診断に電気生理検査は極めて重要である. 症例 患者:42歳, 男性 主訴:下肢脱力感, 触覚の低下, 歩行困難 家族歴:特記すべきことはない. 既往歴:40歳時に噴門部胃切除, 糖尿病個人歴:ビール500ml/日×20年, 煙草30本/日×20年 現病歴:1996年6月, 早期胃癌IIcに対して噴門側胃切除術を受けた. 術後, 5-FU(150mg/日, 2.46mg/kg/日)の経口投与を受け, 再発は認めていない. また, 術前の糖負荷試験で糖尿病と診断されたが, 食事療法のみで血糖コントロールは良好であった. 1998年10月上旬より, 両下肢脱力感・触覚の低下・歩行困難が出現. 11月5日より5-FUを中止したが, 症状が増悪するため11月18日精査加療目的にて入院した. この時の投薬内容は, Krestin R 3.0g,Cisapride 7.5mg,Domperidone 30mg,Sodium bicarbonate 3.0g/日であった. 入院後, 筋電図検査を目的としてリハビリテーション科に紹介された. |
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ISSN: | 0034-351X |