Posttraumatic osteolysis of the pubic boneの2例

Posttraumatic osteolysis of the pubic boneは, 骨量減少を有する高齢者に, 外傷歴がないか, 軽微な外傷後に生じることが多い, 恥骨の急速に進行する溶骨性病変を特徴とする疾患で, X線上悪性骨腫瘍と鑑別が困難であることが多い. 「症例1」63歳, 女性. 特に誘因なく右鼠径部痛出現し, 来院. 初診時X線上右恥骨に溶骨性変化を認めた. MRI,CTでは, 腫瘍性の占拠病変は認めず, 右股関節内転筋内に出血と思われる液体の貯留を認めた. 骨シンチグラムでは同部位と仙骨に取り込みを認めた. 骨量はMD法で, 同世代女性の76%, 20歳代女性の71%に減少...

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Hauptverfasser: 大野一幸, 篠田経博, 井阪佳照, 金柄志, 白崎信己, 岩崎南海雄, 中西克之, 青木康彰
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Posttraumatic osteolysis of the pubic boneは, 骨量減少を有する高齢者に, 外傷歴がないか, 軽微な外傷後に生じることが多い, 恥骨の急速に進行する溶骨性病変を特徴とする疾患で, X線上悪性骨腫瘍と鑑別が困難であることが多い. 「症例1」63歳, 女性. 特に誘因なく右鼠径部痛出現し, 来院. 初診時X線上右恥骨に溶骨性変化を認めた. MRI,CTでは, 腫瘍性の占拠病変は認めず, 右股関節内転筋内に出血と思われる液体の貯留を認めた. 骨シンチグラムでは同部位と仙骨に取り込みを認めた. 骨量はMD法で, 同世代女性の76%, 20歳代女性の71%に減少していた. 血液生化学的検査では異常はなかった. 「症例2」86歳, 女性. 転倒後, X線上右恥骨下枝と恥骨結合部に骨折を認めた. 現在経過観察中である. 「まとめ」特徴的なX線像より, posttraumatic osteolysis of the pubic boneと診断した. この疾患は, insufficiency fractureの一型と考えられているが, これまでの報告が30数例と少なく, 悪性腫瘍との鑑別が困難で, 過剰な検査や治療が行われることもあり, 高齢者を対象とすることの多いリハビリテーション医にとっても注意すべき疾患であると思われる. 高齢者に恥骨部痛が生じた場合, この疾患を念頭に置き, X線像を詳細に検討し治療にあたるべきである.
ISSN:0034-351X