脳卒中患者に対する理学療法としての卓球療法

今回, 我々はリハビリテーション(以下, リハ)訓練にこれまで活用して来た卓球療法の実際をビデオで供覧し, その臨床効果を報告した. 「対象および方法」当科に入院した脳卒中患者36例で入院から卓球開始までの平均期間は平均4.1カ月, 方法はブルー・インターナショナル卓球台を用い, 立位では通常の卓球台の高さ, 車椅子患者は10cm台を下げて施行した. ピンポン球は通常ボールとオレンジ色ラージボールを使用し, 施行時の肢位は通常の立位と立位確立不能者は車椅子で行った. 試技として初心者は転がしボールを打ち返す方法から始め, 慣れるに従いバウンドさせる方法, やがて一般的なワンバウンドから最終的に...

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Hauptverfasser: 佐藤智彦, 田島篤, 郭忠之, 永井康之, 吉田政史, 工藤洋三, 其田正太郎, 中原彰子, 村山明恵, 森照明
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回, 我々はリハビリテーション(以下, リハ)訓練にこれまで活用して来た卓球療法の実際をビデオで供覧し, その臨床効果を報告した. 「対象および方法」当科に入院した脳卒中患者36例で入院から卓球開始までの平均期間は平均4.1カ月, 方法はブルー・インターナショナル卓球台を用い, 立位では通常の卓球台の高さ, 車椅子患者は10cm台を下げて施行した. ピンポン球は通常ボールとオレンジ色ラージボールを使用し, 施行時の肢位は通常の立位と立位確立不能者は車椅子で行った. 試技として初心者は転がしボールを打ち返す方法から始め, 慣れるに従いバウンドさせる方法, やがて一般的なワンバウンドから最終的にはラリーへと段階的に進めて行く方法を取った. 評価はperformance status, 運動知覚機能の改善度, 自己評価式うっ尺度, 長谷川式痴呆検査, ベントン視覚記銘検査を治療前後で施行し比較検討した. 「結果」卓球療法によりリハの効率が上がり, 運動機能ばかりか卓球試技上のレベルアップもみられた. またほとんどの症例で意欲や集中力, 注意力を中心とした大脳高次機能の改善も認められた. 「考察」卓球は遊びながら患者自身の動きが引き出せ, 手技も簡単な方法から複雑な動作までいろいろな訓練段階で行うことができ, ボールを介してPTと患者相互間のコミュニケーションをとりつつ, 意欲を引き出せることで, 脳卒中患者の理学療法の1手法として有効な治療法と思われた.
ISSN:0034-351X