大腿骨頸部内側骨折に対する最少皮切での内固定法
高齢者の大腿骨頸部内側骨折では, 他に内臓疾患をもっていたり, 痴呆やMRSAなどの感染巣をもつなど, リスクの高い場合が多い. そこで高リスクの症例に対し, 手術の安全と早期離床を目的として最少皮切による内固定を行った. 対象とした症例は大腿骨頸部内側骨折のうち, Garden分類のI,II型すなわち転位がないか, あってもわずかで術前牽引で解剖学的整復位が得られたものである. 手術はイメージ透視下に牽引手術台にて行うが, 転位はない状態であるから牽引力はかけない. 局麻下に約1cmの小切開を加え, ガイドピンを刺入する. 使用する釘の長さを測定してcanulated screwをねじこむ....
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 高齢者の大腿骨頸部内側骨折では, 他に内臓疾患をもっていたり, 痴呆やMRSAなどの感染巣をもつなど, リスクの高い場合が多い. そこで高リスクの症例に対し, 手術の安全と早期離床を目的として最少皮切による内固定を行った. 対象とした症例は大腿骨頸部内側骨折のうち, Garden分類のI,II型すなわち転位がないか, あってもわずかで術前牽引で解剖学的整復位が得られたものである. 手術はイメージ透視下に牽引手術台にて行うが, 転位はない状態であるから牽引力はかけない. 局麻下に約1cmの小切開を加え, ガイドピンを刺入する. 使用する釘の長さを測定してcanulated screwをねじこむ. ガイドピンを引き抜き, 同様の操作を同じ皮切より位置をずらして行い, 合計3本のcanulated screwで固定する. 皮膚縫合は1針か多くても2針で十分である. 手術侵襲が少なく, 短時間で行えるためリスクの高い症例でも手術が可能であった. 創痛も少なく, 翌日より車椅子移動ができた. すなわち早期離床が可能であった. 手術創が小さいため創の密閉が容易であり, 翌日より入浴させることができた. 術後の荷重時期については, 患者によって後療法に対する理解力にばらつきが大きく, 一定の傾向は得られなかったが, 高齢者の大腿骨頸部内側骨折の一部の症例に対し, 本法は非常に有用であった. |
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ISSN: | 0034-351X |