電動車椅子の特殊コントロール装置の試み

「目的」重度障害者にとって通常のジョイスティック・コントロールでは操作が困難なため, 電動車椅子をあきらめなくてはならない場合がある. 今回, 電動車椅子の操作が困難・不能であった5症例に対し, ジョイスティックに代わるコントロール装置を製作したので報告する. 「症例」症例1(脳炎後遺症)は四肢不全麻痺, 症例2(脳性麻痺)は痙性四肢麻痺および不随意運動のため, 比較的随意性の高い片足のみで操作可能な足操作式装置を製作した. 症例3および4(進行性筋ジストロフィー症)は全身の著明な筋力低下のため, わずかな母指動きで操作可能なパソコン用の小型のマウスを改造した母指操作式装置と, 両側の母・示指...

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Hauptverfasser: 広瀬和哉, 佐々木鉄人, 横串算敏, 成田寛志
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」重度障害者にとって通常のジョイスティック・コントロールでは操作が困難なため, 電動車椅子をあきらめなくてはならない場合がある. 今回, 電動車椅子の操作が困難・不能であった5症例に対し, ジョイスティックに代わるコントロール装置を製作したので報告する. 「症例」症例1(脳炎後遺症)は四肢不全麻痺, 症例2(脳性麻痺)は痙性四肢麻痺および不随意運動のため, 比較的随意性の高い片足のみで操作可能な足操作式装置を製作した. 症例3および4(進行性筋ジストロフィー症)は全身の著明な筋力低下のため, わずかな母指動きで操作可能なパソコン用の小型のマウスを改造した母指操作式装置と, 両側の母・示指の動きで操作可能な4点式スイッチ装置を製作した. 症例5(頸髄損傷)は四肢麻痺状態であり, 肩甲帯部の挙上運動と頭部の運動のみで操作可能な4点式スイッチ装置(頭部・肩操作式装置)を製作した. ジョイスティックでは操作困難であった2例がコントロール装置を変更することで操作性は向上し, 重度の障害のためジョイスティックでは操作不能であった3例は操作可能になった. 「考察」ジョイスティックに代わるコントロール装置を使用することにより, 操作性の向上および操作が容易になることから1)危険からの回避, 2)行動範囲の拡大, 3)身体的負荷の軽減などが期待できる.
ISSN:0034-351X