両側同時高位脛骨骨切り術の検討

「目的」変形性膝関節症で高位脛骨骨切り術の適応となる患者には, 両側罹患例が比較的多く見られる. そのような患者に対し両側同時に手術を行った症例(以下, 同時例)を, 1回の入院中に別々に両側の手術を行った症例(以下, 順次例), および片側ずつそれぞれ入院を分けて手術を行った症例(以下, 段階例)と比較・検討した. 「方法」1997~1998年8月の間に, 両側共に高位脛骨骨切り術を行った7例14膝(女性6例, 男性1例)を対象とした. 同時例が, 年齢53~68歳(平均62.7)の女性3例, 順次例が69歳の女性1例と70歳の男性1例の計2例, 段階例が66歳と76歳の女性2例であった....

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1999, Vol.36 (11), p.857-857
Hauptverfasser: 金井一男, 田口学, 川谷洋右, 福田朋博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」変形性膝関節症で高位脛骨骨切り術の適応となる患者には, 両側罹患例が比較的多く見られる. そのような患者に対し両側同時に手術を行った症例(以下, 同時例)を, 1回の入院中に別々に両側の手術を行った症例(以下, 順次例), および片側ずつそれぞれ入院を分けて手術を行った症例(以下, 段階例)と比較・検討した. 「方法」1997~1998年8月の間に, 両側共に高位脛骨骨切り術を行った7例14膝(女性6例, 男性1例)を対象とした. 同時例が, 年齢53~68歳(平均62.7)の女性3例, 順次例が69歳の女性1例と70歳の男性1例の計2例, 段階例が66歳と76歳の女性2例であった. 調査項目は, 総手術時間, 術中出血量, ROM, 日整会判定基準, femoro-tibial angle(FTA), 全荷重開始時期, 術後入院期間, 総医療費, アンケートである. 「結果および考察」術後可動域, 機能評価, レントゲン評価は, 3群間に明らかな差異はなくいずれも良好な成績であった. 実質手術時間は差がなかったが, 総手術時間, 全荷重開始までの日常生活に支障をきたす期間の比較では同時群が明らかに有利で, 入院期間の短縮, 入院費用の軽減には同時群, 順次群が優れていた. 同時手術は患者の手術, リハビリテーションのストレスも軽減し満足度が高かった. 当科においては, 今後も高位脛骨骨切り術の両側適応例では積極的に同時手術を行おうと考えている.
ISSN:0034-351X